ブックタイトル広報いしおか 2017年1月1日号 No.270
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広報いしおか 2017年1月1日号 No.270
「木鶏の街を目指して」」石岡市長今泉文彦明けましておめでとうございます。初春の清々しい陽ざしを仰ぎ、皆様はそれぞれに素晴らしい新年を迎えたことでしょう。さて、本年の干支「酉」で思い出すのが「木もくけい鶏」の二文字です。これは中国の故事で、木彫りの闘鶏のような全く動じない最強の姿を意味しています。ただし、これは内面に徳を備えた上ですから、人間がその境地に至るには大変なことです。昭和の大横綱・双葉山が69連勝で敗れた夜に「我、いまだ木鶏たりえず」という意の電報を知人に打ったエピソードは、その難しさを示しています。全国には、志高く木鶏を目指す地域がたくさんあります。以下は、そんな場所の一つを訪れたときの会話です。「日本で一番風の強い場所はどこでしょう」「さあ、富士山の辺りでしょうか」「正解です。では2番目は?」「今いるこの那須の辺りですか」「そのとおりです。ここ那須地方は、那須岳や尾瀬の至仏山などの山々が壁になり、大陸からの風を直接受けて、それが渦巻いて降りてくる場所なのです」その言葉どおり、石岡市は晴天なのに、那須に到着すると小雪がちらつき夕方には猛吹雪で、強風が荒々しい雄叫びをあげていました。「この那須は、そんな大変な気象条件にあっても、逆境をバネに地域全体がアイデンティティを創造してきたところなのです」日本三古碑の一つがあり、那須御用邸がある、豊富な温泉が湧く日光国立公園を代表する景勝地。そのようなイメージをもとに、新たなチャレンジも矢継ぎ早に実行しています。ご当地ナンバーの那須ナンバーのスタートやセブンイレブンを始めとする企業による「景観配慮の看板茶色化」など、見事なオンリーワンのまちづくりです。滋賀県の近江八幡では市街地の八幡堀を復活させ、建築家ヴォーリズの手がけた建造物を地域のシンボルにして、都市の個性に磨きをかける努力を怠りません。そこに共通するのは、市民であることの誇りと自信を持っているということです。それはGHQに対して堂々と渡り合った白洲次郎の日本人としてのプライドにも似た、揺るぎない思いです。私は石岡市を考えるとき、他のまちに劣らない素晴らしい地域資源があり、それを活かす人材がいるまちだと思っています。「子供たちが地元を学び、地域を知った上で進学や就職していけば、自然とふるさとをPRし、それが広がっていく」と。ローマは一日にしてならず、まして木鶏に至っては「徳を全う」することが肝心となり、多くの志が必要です。私自身も最善を尽くして、この一年が皆様にとって最良の年となることを祈念し、新年の挨拶といたします。?大塚彩加さん(杉並在住・高校1年生)書第32回全国年賀はがきコンクールで全国から集まった1万を超える作品の中から6人のみに与えられる文部科学大臣賞を受賞しました。広報いしおか1月1日号№2702