ブックタイトル広報なか 2016年12月号 No.143
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広報なか 2016年12月号 No.143
わがまちの環境を考える「2℃目標」の達成をめざして~パリ協定とIPCC※第5次評価報告書~◆パリ協定とは1997年12月に京都市で開催された「気候変動枠組条約第3回締結国会議(COP3)」で採択された京都議定書に代わる、すべての国が参加する地球温暖化防止対策の新しい枠組みです。昨年12月にパリで開催された同第21回締結国会議(COP21)で採択されました。京都議定書(2005年2月に発効。地球温暖化防止対策に関する国際的枠組み)は、温暖化防止対策の第一歩として素晴らしい取り組みではあったものの、次の取り組みに進みませんでした。理由として、京都議定書には、アメリカ・中国・インド・発展途上国には温室効果ガスの削減義務がなかったことが原因です。そこで、すべての国が参加する地球温暖化防止対策の新しい枠組みをつくろうとする話し合いが進められ、できたのが「パリ協定」です。「パリ協定」は、155か国・地域以上が批准すること、2批准した国の合計の温室効果ガスの排出量が世界全体の55%以上になること、という条件を満たし、今年11月4日に発効しました。※IPCC…気候変動に関する政府間パネル◆パリ協定で決められたことパリ協定の骨子は以下のとおりです。1「2℃目標」…世界の平均気温上昇を、産業革命前と比較して摂氏2℃未満に抑える。かつ摂氏1.5℃以内に抑えることにも努力。2長期目標…今世紀後半までに、世界の「人間の活動にともなって排出される温室効果ガス排出量」を実質的にゼロに。35年ごとの見直し…各国は、2020年以降5年ごとにすでに国連に提出している2025年(または2030年)に向けての排出量削減目標を見直し、提出する義務を持つ。また、5年ごとの目標の提出の際には、原則として前回よりも高い目標を掲げる。4資金支援…削減目標に向けた取り組み支援を必要とする国への資金支援。5損失と被害への救済…地球温暖化の影響に適応できず、損失と被害が発生してしまった国への救済を行うための国際的しくみの整備。6検証のしくみ…各国の削減目標に向けた取り組み、また他国への支援について定期的に計測・報告し、かつそれらに対して国際的な検証をしていくためのしくみの整備。パリ協定は、温暖化防止対策の国際的枠組みが、先進国・発展途上国という枠を超えて、すべての国が温暖化防止対策をとらねばならない、という歴史的な国際合意の採択に至り、また温暖化防止対策が世界最大の課題になったという印象を世界に与えました。◎なぜ、温室効果ガスの中でも二酸化炭素(CO?)なのか?◎大気中のCO?の濃度は、産業革命以前と比べて、42%以上も高い水準となっています。これは、ほぼ人間の活動によるものとされているとIPCCは発表しています。さらに、人間の活動によってこれまで排出されたCO?の積算量は、世界の平均気温の上昇量と比例関係にあると報告されています。代表される5つの温室効果ガスの濃度についても、同様に増加し続けています。メタンの温暖化への寄与は小さくありませんが、大気中に含まれる濃度は低くその影響は小さく、つまり地球温暖化の根本的な原因は、あくまでもCO?と見られます。なお、水蒸気は大気中に最も多く含まれ、また最も大きな温室効果を持ちますが、水蒸気量はCO?のように人間の活動によって大きく増えるものではなく、その量の増加のほとんど(99%)は、自然のしくみによって増加するので、私たちの力で調整できないのです。また、水蒸気による気温上昇は、CO?の増加によって生じ、CO?による気温上昇をさらに増幅させます。このように、水蒸気量は、CO?量の増加に追従して増加するので、水蒸気は6つ目の温室効果ガスに加えないのです。4