ブックタイトル広報なか 2016年11月号 No.142

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広報なか 2016年11月号 No.142

ふるさと大使の「那珂良し来良し」♪那珂ふるさと大使通信なかよしこよしVol.8問い合わせ秘書広聴課秘書グループ?298・1111(内線423・424)京都女子大学客員教授初はつ瀬せ龍りゅう平へいさん(大阪府在住)で習ったことがある」と、話しかけてきた。京都の東山区で、郷里の昔話が出てきたのには、ビックリしてしまった。この中学とは、木崎中学校である。私は、小学2年から木崎小学校に通い、中学は木崎中学校を卒業し、高校は水戸、大学は東京で学んだ。母は、中学校で数学と音楽の先生をしていた。実は、私は神戸市で生まれている。父は門部の出身者であるが、会社勤めの転勤族となっていた。私は、日本国内やアメリカ、イギリスで各地に住み、今は大阪の豊中に住んでいるが、心のふるさとは門部にあり、それが私の研究心を支えている。戦争体験としては、1945年(昭和20年)8月1~2日の深夜に水戸が空襲を受けたとき、実家の縁側から、水戸方向の夜空が赤く燃えていたのを記憶している。その数日後、水戸の下市にある母の実家を訪れると、立派な日本家屋は燃え尽きていた。祖母と母が泣きながら、立ちつくしていた。生活評論家の吉沢久子さんは、3月の東京大空襲に遭っているが、「戦争は私たちのごくふつうの生活の中にある、ささやかなしあわせを奪ってしまう」と述べている。私も、世界の人々の「ささやかなしあわせ」を大切にしたい。研究では人々の日常性、日常生活(ささやかなしあわせ)の尊重を核に考えている。実家があった門部の日常的風景と人々の日常生活の感覚が、私の国際関係研究の基底にある、と思っている。最後に母の話で申し訳ないが、生前の母は、卒業生が自宅に立ち寄ってくれることを楽しみにしていた。この場を借りて、お礼を申し上げておきたい。私のアイデンティティのもと私は、これまでに北九州、神戸、京都の大学で、国際関係論を教えてきており、平和研究の立場で国際関係の理論や思想を研究してきている。その間に、イギリスやインドネシアの大学で、日本の国際問題を講義したこともある。私は、いくつになっても、母親っ子である。母はすでに10数年前に、94歳で亡くなっているが、いまでも仏壇の母の遺影に向かって、しばしば「ボク、論文の締め切りが迫っているのに、書けそうにない。どうしたらいい?」と、相談を持ちかけている。その母親の話が、数年前のことだが、勤務先の京都女子大学で1年生から飛び出して来た。彼女は「友達の身内が先生のお母さんに、中学広報なか11月号11