ブックタイトル広報なか 2016年10月号 No.141
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広報なか 2016年10月号 No.141
◆温暖化防止対策の現状防災と地球温暖化◆昨年、水戸市は観測史上最も暖かい年だった!わがまちの環境を考える平成27年の水戸市の年間の平均地上気温は地上気温の平年差(水戸市)14.8℃でした(気象庁ホームページから)。これは水戸の気温を観測し始めた1897年以来、最も高い気温となりました。図は、1897年から2015年までの水戸市の年平均地上気温の平年差の経年変化を示しています。平年差とは、年平均気温から平年値(1981年から2010年までの30年間の気温の平均値)を差し引いた値のことです。水戸の気温は上昇を続けており、特に1990年以降その傾向が強く表れています。那珂市もこの結果に準ずると考えられます。このような気温上昇は、二酸化炭素をはじめとする温暖効果ガスによる地球温暖化(正しくは、気候変動と言います)がその原因であると多くの科学者に指摘されています。異常気象も続いており、昨年9月には、栃木県で大雨となりました。10日の朝までに、24時間雨量として五十里(日光市)で551mm、今市(日光市)で541mmなど、多数の地点でこれまでの観測の最高値を更新しました。その結果、鬼怒川の流域平均雨量は400mmを越え、常総市付近で堤防が決壊越水し大規模な被害をもたらしました。また、ゲリラ豪雨と呼ばれる突発的局地的豪雨も生じ、日本を襲う台風も大型化しつつあります。昨年12月12日にパリで開催された「国連気候変動枠組み条約第21回締結国会議(COP21)」は、新しい国際的枠組み条約となる「パリ協定」を採択し、締結した188の国と地域は、現在提出した約束草案に基づき温暖化防止対策を進めています。しかし目標とする「1 21世紀末までに、産業革命からの気温上昇を2℃未満に抑えること、また1.5℃未満も努力すること」「2できるだけ早く世界の温室効果ガス排出量を頭打ちにし、今世紀後半に実質ゼロにすること」は実現が危ぶまれています。理由は、排出削減目標値の決定は各国・地域の自主性に任され、さらに目標達成の義務はなく、法的拘束力もないことです。また各国・地域の約束草案に示された削減目標値を積算しても、上記1の国際目標を達成できないという状況もあります。もう一つの理由は、多くの国々が環境よりも経済を優先しており、多くの国民もそれを支持していることです。国連のIPCC(参照:広報なか平成27年2月号)は、第5次評価報告書の中で、上記12の目標が達成されない場合、今世紀末までの世界平均地上気温は最大で4.8℃である可能性が高いと予測しています。「これほど大騒ぎして、たった4.8℃?」と思われているかもしれません。みなさんは「茹でガエル」という例えをご存じでしょうか。カエルを熱いお湯の中に放り込むと、カエルは驚いて飛び出します。でも鍋の水の中にカエルを入れておいて、弱火で少しずつ温めてやると、徐々に水温が上がっていくのに気が付かずに、茹であがって死んでしまう、という人間の認識や対応をいう例えです。気温は21世紀末までに4.8℃徐々に上昇します。「茹でガエル」的状況にならないよう、この気温上昇は人間を含め、地球上の多くの生物にとって命取りになる環境激変をもたらす可能性があることを認識する必要があります。12