ブックタイトル広報いしおか 2016年10月1日号 No.264

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広報いしおか 2016年10月1日号 No.264

祝・認定!筑波山地域ジオパーク!ジオパーク(Geo Park)の「ジオ(Geo)」は、「大地」や「地球」という意味。9月に筑波山地域が、日本ジオパークに認定されました。?。しかし、多くが指で崩せるほど脆もろく、風化が進んでいる。尾根に近づくと沢沿いには崩れた大きな岩塊が重なっている。尾根には風化に耐えた岩盤が丸い形で見えている。山頂付近は硬い岩盤で、険しい地形になっている。加波山神社拝殿下までは車で入ることができる。尾根沿いに山頂を目指すと幣束が供えられた奇岩が次々と現れる?。いずれも細粒の花こう岩の岩盤に生じた割れ目(節理)が崩れて生じたものだ。細粒の花こう岩は風化に強いため、このような奇岩が生まれた。加波山頂が足尾山より険しいのはまさに岩質の差の現れである。加波山霊場は巨岩や岩陰に神仏を祀り、それを巡ることで自らを浄める場である。山頂の巨岩を見て回るだけでもその雰囲気が感じ取れる。足尾山頂近くの「東道三十六丁」の石柱や、加波山神社前の三十四丁石に刻まれた「右大つかふちう(府中)」の文字には、古来からの山麓との絆が感じられる。文:環境省委嘱自然公園指導員矢野徳也ジオパーク第6回マグマから生まれた白い岩▲加波山・足尾山付近案内図2億年をさかのぼる石岡市の大地の物語を訪ねる歩き書きのシリーズ。全8回の掲載です。いしおかの大地を歩く筑波山から北には山並みが続いている。その所々に採石の白い岩肌が見える。雨引観音の辺りは変成岩からなるが、そこまでの山々は全て白い岩の花こう岩からできている。この岩石は6000万年前にマグマが地下でゆっくり固まった結晶質の岩石で、石材として利用されてきた。「真壁石」で知られるものは、山の西の桜川市側の細粒の花こう岩で、灯籠などの細かな細工物に向いている。広く分布する中粒の花こう岩は、主に建築材などに利用されていた。しかし、近年は輸入石材の増加や、コンクリートブロックの普及で石材の需要が減ったため、休んでいる石切場が多くなった。八郷盆地から見える、筑波山の北の美しい姿の二峰は、南が足あしおさん尾山、北が加かばさん波山である。足尾山?は、1300年前の常陸国風土記新治郡条に記載されている「アシホ山」にゆかりのある名だといわれている。山頂には足尾神社があり、麓の小屋に里宮?が、上曽には鳥居?がある。加波山?にも山頂に加波山神社と加波山三さえなずみ枝祗神社があり、石岡側の大塚には加波山神社の里宮?が、西麓の桜川市長岡にはそれぞれの里宮?がある。この二山は信仰の山である。山麓の各所から参拝の山道が開かれ、一丁(約100m)毎に距離を示す石柱も建てられていた。今は歩く人も少なく、石柱も埋もれ、やぶに戻った道も多い。加波山は山中で修験道の修行を行う加波山霊場として知られ、今も夏には禅ぜんじょうさい定祭が行われている。現在は上曽峠、大塚、板敷峠から自動車で山頂近くまで上がることができる。大塚から一本杉峠までの道は砂利道だが山の様子がよくわかる。なだらかな斜面に沿って集落が続き、谷越しの北側にも大きな斜面が見える?。斜面の表面は赤土(ローム層)に覆われているが、切り通しの断面では、花こう岩の大小の岩塊が砂され礫き中に散っている?。これらは山の上から崩れてきた土石流の堆積物である。山腹にさしかかると曲がりくねった急坂となり、岩盤が現れるジオパーク101121広報いしおか10月1日号№264