ブックタイトル広報さかい 2016年8月号 No.595

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概要

広報さかい 2016年8月号 No.595

唐木准教授政治は議会や選挙などの大規模なものだけではない。例えば家族会議で予定を決めたり、学校の教室で席替えをどのようにして行うかを考えることなども広い意味では政治の一つで、つまりはルールを決めるための「話し合い」が組織を動かすかどうか。政治を日ごろから身近にとらえることが、政治を考える上で大切だ。遠藤最初は政治と言ったら学校の授業で習うような遠いものをイメージしていたが、中高生が部活動の運営を話し合って決めることも政治と考えると、政治を身近に感じられる気がする。唐木准教授政治を広い意味でとらえてほしい。政治への参加といえば即ち選挙ではない。政治と選挙を切り離して考えるとわからなくなってしまうため、どれだけ政治を自分のこととして感じられるかが重要だ。竹森身近な「話し合い」も政治だとは思うが、やはり、政治といえば議会や選挙などの規模の大きなものと考えてしまう。橋本町長私は唐木先生に同意する。以前、小学5年生から町内の道路の舗装について提案を受け、実現させたことがある。こうした小さな働きかけも町政にとっては大事で、問題は我々大人が子どもの意見を聞く耳を持つかどうか。選挙のためだけに動くのではなく、住民と「話し合い」、批判を恐れずに行政を動かし、若者の意見を積極的に取り入れたい。政治家とその地域に住む人々との距離感は政治家のこれからの課題だ。意見を言えば政治が変わると地域の人々に思ってもらいたい。「足腰」からの主権者教育を3主権者教育筑波大学社会学類4年竹森友香さん筑波大学人文学類2年遠藤菜央さん筑波大学物理学類1年佐藤巧基さん【司会】筑波大学人文学類2年佐々木悠里さん遠藤高校の「現代社会」の授業で、社会にどんな問題があるのかというテーマで実際に町を歩き、気付いた問題点について議論し合う授業があった。竹森高校時代は政治や選挙の仕組みを知識として学んだ。大学で主権者教育の授業案を作る機会があったが、主権者教育は指導法が確立している訳ではないので、主権者教育の実践はとても難しいと感じた。唐木准教授先ほどの境町の小学5年生のように、この町や社会は自分の力で少しずつ変えられる、と教えることが主権者教育だと考えている。最近は選挙権年齢引き下げがあり、主権者教育がよく議論されるが、そのほとんどが「有権者教育」の議論になっている。有権者教育は選挙に焦点を絞り、模擬投票などを行う教育を指すが、本来、主権者教育は選挙に限らず、社会のどんな問題をどう解決するか理解する教育だ。今、日本では、「自分たちが政治を動かしている」実感を持つ若者が先進佐藤公立高校に通っていたが、公民の授業で政治の知識を得たのみで、主権者教育として思い出せる経験はない。国7カ国の中で一番少ない。自分たちも社会を変えられるという実感を、経験から理解することが必要だろう。今の主権者教育はあくまで選挙に焦点を当てたもので、もっと「足腰」からの教育を図るべきだ。社会を変える若者の力2政治や投票のとらえ方4若者と政治竹森投票だけでなく、自分たちで問題点や改善案を行政に提案するなど、積極的に政治と関わって行ければよいと思う。佐藤現在の生活に不満がなく、問題点は見つからない。その状況で政治に参加しても、責任が持てるかが不安だ。唐木准教授政治の参加にもさまざまな形がある。買い物などで税金を払っている時点で、政治に関わっている。その税金の使われ方を考えることが、一番身近な政治参加ではないか。橋本町長町長の立場としては、若者たちが身近な社会のことを自ら考える機会を設けていきたい。(出典:筑波大学新聞第329号7面より転載)Sakai town news7