ブックタイトル広報 古河 2016年8月号 No.131

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概要

広報 古河 2016年8月号 No.131

天候・作柄をコントロールすることの難しさ~託宣・共同祈願、科学とのせめぎあい~真室川でオナカマの話を聞くたくせんカミやホトケをおろして託宣するオナカマという女性民間宗教者の話を、姉妹都市山形まむろがわ県真室川町で聞いたことがあります。春になると、近隣のムラを訪ねてカミおろしを頼まれるのだという。そのいとこにあたるKさんがいうことには、「全部したってわけじゃなうじがみいけど、カミおろしっていって、そこの氏神さま様とかよ。一日あれで終わらねかったよ。あと、頼まれれば家のカミってのをおろしたり、クヂヨセ(口寄せ)ってんだな」といって、オナカマは、あちら側の世界に存在するものたちの意思をこちら側に伝えようとしていたたたのである。カミおろしの際には、弓を叩すべきながらそのムラ総てのカミをおろすのだという。そして、これからおこる一年間の出来事さくがらや、作柄などを占ったのであるが、そうしたクヂヨセを書き取ったものをクチトリといって、真室川町周辺に残されているというのです。▲真室川の町並みもちろん、わたしたちは程度の差あれ、日げた常に不安を感じながら生活をしている。下駄ひょうりの表裏で明日の天気を占ったように、かつてさいやくきざは、占いによってその訪れる災厄の兆しを察知し、祈願によってこれを取り除こうとしていました。オナカマのカミおろしもそうした予防策の一つなのでしょう。こうした占いによって来たるべき世界の変化に備える方法は、カミおろしだけではなく、わたしたちの身の回りにもたくさんありました。たとえば、『総和町史民俗編』に紹介される節分の行事に、大豆を12粒用意し、1粒ずつイロリはじに落とし、その弾け方で月ごとの天候を占うといったこともその一つです。昭和4年の日照りと雨乞い天候はその年の作柄を左右することもあり、たいへんな関心事でした。たとえば昭和はなは4(1929)年、当地方は甚だしい日照りが続きます。最初はなんとなく雨が降らない、そういう感じだったのでしょう。意識しはじめたきれつのは7月下旬。猿島郡の一部の水田に亀裂が入り、祭礼期間であるにもかかわらず、各農あまご家では雨乞いをしていると当時の新聞に記されています。この被害が市域に広がり、具体的な行動を起こすのは29日から。新聞記事の見出しには「こゝこごいでも雨乞ひ/二百名で祈だいかんばつらいじんいけさらう願/大旱魃の桜井村民/雷神池を浚ふ」とあり、下大野では200人もの人々が雷電神社に集合し、池の水を浚って雨乞いを祈願したのたいこだと。8月に入ると、女沼では集まって太鼓を叩くとか、磯部・東牛谷・西牛谷・上辺見から板倉町雷電神社へお参りに行くだとか。16広報古河2016.8.1