ブックタイトル水戸商工会議所会報 2016年7月号 vol.657
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水戸商工会議所会報 2016年7月号 vol.657
水戸藩と薬草とのかかわりは古く、水戸藩第2代藩主である徳川光圀公は、医薬が行き届かない時代に藩医に命じて医学書「救民妙薬」を刊行させ広く庶民の救済を図りました。また、水戸藩第9代藩主徳川斉昭公は弘道館を建設し医師の教育を行い、水戸藩内の薬草などを用いて薬を庶民に無料で与えるなど医療事業に尽力しました。こうした歴史を踏まえ、薬草園を復活したいという多くの人とともに、水戸商工会議所、水戸市公園協会、水戸市植物公園が連携し、このような歴史と伝統、自然の豊かさなどを常時、手軽に体験、観察でき、新しい観光資源としても利用できる施設にしていこうと、千波公園西の谷に水戸藩にまつわる薬草を中心にした薬草園の整備が進められました。そうした中で、平成27年5月頃から試験的にハトムギ等8種458株の薬草の栽培を始めました。同年8月には薬草園の会の発足を目指す関係者約30人で除草作業を行い、暑い中ここちよい汗を流しました。9月28日には多くの賛同者の出席のもと、設立総会を行い、同会が発足、水戸商工会議所の和田祐之介会頭が会長に就任しました。その後10月には、薬草園で初の収穫祭を行い、ハトムギやエビスグサの収穫を行いました。収穫祭にあたり、会員であるホテル・ザ・ウエストヒルズ水戸さん、フロンティア水戸さんの提案で西の谷で収穫したバジルを使ったパスタを提供していただき、更に常磐大学の学生さんたちは、ピザ窯を持ち込み西の谷で収穫したルッコラを使ったピザをその場で作り、収穫作業後に全員でいただきました。参加した会員からは「本格的、おいしい」等、喜びの声が沸き上がっておりました。11月には薬草園で収穫したアカザを使い、テレビドラマ「水戸黄門」でおなじみ、旅姿の黄門様が、いつも手にしていたというアカザの杖をつくりました。根の形が面白いものを見つけ、やすりで表面を一生懸命磨き、汚れを落とすと素晴らしいものが出来ました。同じ形のものはありませんので、黄門様に思いをはせ、我が家の宝にしたいと自宅に飾っております。翌年2月には、収穫したハトムギやエビスグサを使って薬草茶づくりを行いました。飲むと美肌効果があるとのことで何杯も飲もうとしましたら、水戸市植物公園西川園長より「一時的に飲んでも即効性はないから飲みすぎないで」とくぎを刺されました。薬草の勉強をしながら、こういった会員同士のやり取り、会話も楽しいものです。4月には平成28年度の総会を行い、今年度の事業計画が承認されました。今年度は更に区域を拡大整備し、薬草園の充実を図っていきたいと考えております。会が発足してまだ日が浅いですが、今後は、薬草園としての価値を高め、大学や企業等と連携し、薬膳開発など具体的な活用策を検討するほか、千波公園西の谷は中心市街地に隣接する貴重な場所ですので、薬草園と中心市街地とを連動させたにぎわい創出も目指していくとともに、西の谷薬草園を歴史を振り返ることのできる場として、水戸の特色の一つにしたいと考えております。皆さんもぜひご参加ください。「水戸藩と薬草」松??正男事務局長(一財)水戸市公園協会水戸藩にまつわる薬草園の会1水戸商工会議所会報No.657 2016年7月