ブックタイトル水戸商工会議所会報 2016年7月号 vol.657
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水戸商工会議所会報 2016年7月号 vol.657
【寄稿】水戸テクノ倶楽部総会・記念講演会に参加してイトウ代表取締役佐々木隆〈1981年の530万社が2012年は380万社。これは中小企業白書による中小企業・個人事業所数の推移から〉5月23日、水戸テクノ倶楽部(根岸孝雄会長)の第22回通常総会にあわせて、ホテル・ザ・ウエストヒルズ・水戸で記念講演会が行われた。講師は、今年4月に赴任された日本政策金融公庫水戸支店中小企業事業統轄の川南浩隆様で「最近の経済・金融情勢~今こそイノベーションを~」というテーマに沿って貴重な講話をいただいた。経済・金融の現状と見通しについては、実質GDP成長率推移、為替・株価・金利の動向、物価、個人消費、輸出入などの項目について説明をいただいた。中小企業の現状では、景況感は緩やかに回復してきているが、地域によるばらつきが目立つこと、また求人難が高水準になっていることなど、問題も山積しているとのこと。現状を打破するために、中小企業が経営基盤の強化に向けて最近特に注力しているのは1販売力の強化2人材の確保と育成3自社ブランドの育成・強化とのことであった。変化の激しい環境下でも、永続できる企業になるために望まれる経営とは?その答えが「今こそイノベーションを実行しよう」である。冒頭で中小企業白書の事業所数をご紹介したが、なんと約30年の間に150万の事業所が廃業したとのこと。一方で、勝ち残りを目的としてイノベーションに取組む中小企業が増加している。説明されたイノベーションの概念は1新商品創出2新しい生産方法の開発3新しい市場の開拓4原材料の新しい供給源の獲得5新しい組織の実現という5項目である。さらに自社保有のコア技術を発展させ、異分野に進出した事例、あるいは海外に販路拡大して大きな成果を上げている企業など、イノベーションを実施した10社を詳細に紹介いただき、講演のまとめとして「成功した企業の共通項」について説明があった。それは1経営者のリーダーシップと熱い思い2簡単に諦めない強い心3ニーズを汲み取る高い情報収集力4自社の強みを知る5柔軟な思考6リスクを引き受け先行投資する企業家精神7リスクを取る範囲を限定しておく8ニッチな市場を狙う9足りない能力を補う行動力(異業種交流・連携など)10支援機関活用(公庫・会議所・役所など)という示唆に富んだ内容の10項目であった。私事だが、先般ある自動車部品の企業を訪問した際「これからはサイドミラーが無くなり、いわゆるミラーレスの車になる。自動車の安全はカメラとセンサー」という話題になった。従来は、当たり前のように存在した製品・部品が、極めて短期間で他の物に置き換わる。今後、その変化の速度は、増々速くなっていくことは間違いない。従って講師は「そのような時代だから、イノベーションできる企業だけが永続可能なのですよ」。その点を強く主張されたのだと思う。大変有意義な、中身の濃いご講演をいただいたことに、感謝を申し上げます。162016年7月No.657水戸商工会議所会報Industrial Network Site Mito工業振興情報