ブックタイトル茨城大学/2016 ADMISSION GUIDE

ページ
31/112

このページは 茨城大学/2016 ADMISSION GUIDE の電子ブックに掲載されている31ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

茨城大学/2016 ADMISSION GUIDE

学問の枠組みを超え新分野を開拓。“発見する喜び”を力に変えて。人文学部教員紹介大学時代、旅行先のニューヨークでの体験が、私のその後の進路を大きく変えてしまいました。それは、ちょうど湾岸戦争の直前の時期。国連本部を見学した際に、コーラの自動販売機の後ろ側から「イラクをどうすべきか」といった外交官たちの会話が聞こえてくるような、非常に緊迫した街の様子を目の当たりにして、まるで歴史の1ページを見ているかのような感覚に襲われたのです。当時は法学部で学んでいたのですが、そこから国際政治に強い興味を抱くよう人文学部になり、大学院へ進むことを決意しました。大学院では、指導教員が平和研究に熱心な方だったため、自分も自然にそちらの方向へと軸足を移していくことに。そんな中で、では「何が平和を阻害しているのか?」と考えた時に、環境問題が大きな影響を与えていることに着目するようになったのです。資源の枯渇や地域的な汚染が戦争の原因になったり、その反対に戦争が環境汚染を生んでしまったり。一度“負のスパイラル”に陥ると、なかなか抜け出せなくなってしまう。その解決策を探る研究にも力を注ぐようになっていったのです。このように、国際政治学から始まって平和研究へ、そして環境問題へと、関心のある分野がどんどん広がってきました。よく「学際的」という言葉が使われますが、今までの学問の枠組みを超え、複数の分野にまたがって研究をしていることが、結果的に今の強みになっていますね。実際、人文学部の所属ですが、文系・理系の境界線はそれほど意識していません。たとえば環境政策を考える場合、気候変動など理系の最低限の知識がなければ「それが正しいかどうか」を判断できないわけですから。研究を深めるたびに新たな課題や興味の対象が見つかり、それについて学んでいく。関連する分野をどんどん取り込んでいかなければいけないのは大変な部分もあります。でも、ほとんどの人が知らなかったであろう物事のつながりを“発見”する喜びもある。そうした喜びや、「新しい分野を開拓している」という感触が得られたときの面白さを、学生たちにも伝えたいですね。そのために大切になるのは、先入観や固定観念をできるだけ取り払うこと。「~でなければならない」という思考を壊し、今までと違う視点を持つことで、考えてもみなかった新しいこと、目に見えなかったつながりを“発見”できるようになります。震災で大きな影響を受けた地域で学生生活を送るのは、今しか、ここでしかできない貴重な体験。学外にも学びの場がたくさんある人文学部社会科学科蓮井誠一郎教授Hasui Seiichiro香川大学法学部卒。明治学院大学修士課程(国際学研究科)修了。筑波大学博士課程(社会科学研究科)単位取得満期退学。2003年より茨城大学で教壇に立つ。また、ラオスやフィリピンの紛争地帯での活動や、原発事故に関する市民支援活動など、国内外をフィールドに精力的な活動を続けている。ので、ぜひ茨城大学であなただけの“発見”をしてください。IBARAKI UNIVERSITY ADMISSION GUIDE 201631