ブックタイトル広報しろさと 2017年3月号 No.146
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広報しろさと 2017年3月号 No.146
9 広報 しろさと 2017年3月広 告Dr. 健康コラム城里町国保七会診療所 上井 雅哉乳がん検診についてしゅりゅう 平成24年の全国統計によると、1年間に約7万4千人の方が乳がんと診断されています。乳がんは平成6年以降の女性が発症するがんの第1位で、年々増加傾向にあります。平成26年の乳がん死亡者数は約1万3千人で、がん全体の9%(第5位)でした。乳がんを発症する人数と死亡する人数を比較すると、早期発見・早期治療により、救命しやすいがんであるといえます。 大腸がん及び肺がんは60歳以上で顕著に増加するのに対して、乳がんは40歳~50歳代にかけて多く見られます。また、乳がんはこの年代の死亡者数の4分の1を占めています。 乳がん検診の先進地であるアメリカ及びイギリスでは、マンモグラフィによる検診が推奨されています。アメリカでは40歳~64歳の50%が、イギリスでは50歳~70歳の70%がマンモグラフィ検診を受けているといわれています。そのため、乳がんの発症率は日本より高いものの、死亡率は減少に転じました。 日本では、平成25年の40歳から69歳の乳がん検診受診率は34%にとどまり、乳がんの発症率及び死亡率は年々増加しています。 乳がんは、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンとの関連性が示されており、濃度の高い期間が長い方(早い初経、遅い閉経、妊娠なし、授乳歴なしなど)ほど発症しやすいといわれています。 肥満(脂肪細胞でもエストロゲンが作られます)、飲酒、喫煙も乳がん発症のリスクを高めます。 一部では、遺伝性の乳がんも知られています。(1)マンモグラフィ検診 乳房を片方ずつ板と板の間に挟み、薄く伸ばして内部の様子を撮影するエックス線検査です。腫瘤や微小な石灰化を検出するのに優れています。痛みを伴うこともあることから敬遠されがちですが、しこりとして触れる前の早期の乳がんを発見でき、40歳以上の女性で乳がんによる死亡者数を減少させる効果が示された検診方法です。 現状では、2年に1回のマンモグラフィ検診が妥当とされています。(2)医師による視触診検査(乳房の視診・触診など) 乳腺組織の発達した閉経前の女性では、小さな影が見えにくいこともあるため、マンモグラフィ検診との組み合わせで行います。(3)超音波(エコー)検診 若年者や、閉経前女性の高濃度乳腺でのがんの判別に効果を発揮しますが、40歳以上ではマンモグラフィ検診との併用が勧められています。(4)自己検診 鏡に向かい、乳房の変形や左右差がないかを見たり、立ったままや仰向けになり指先でしこりがないか自分で触れて確かめてみましょう。 マンモグラフィ検診で乳がんが見つかる方は、受診者の0.3%との調査があり、過度に心配する必要はありません。しかし、精密検査が必要と診断されたら必ず受診してください。 検診受診後や次の検診まで期間がある場合でも、新しいしこりに気付いたり、異常が認められたりしたら、乳腺外科等の専門の診療科を受診するようにしてください。【参考文献】 国立がん研究センターがん情報サービス・がん統計 日本乳癌学会編、乳がん診療ガイドライン2016