ブックタイトル広報 常陸大宮 2017年1月号 No.148
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広報 常陸大宮 2017年1月号 No.148
広報 常陸大宮 1 9 平成29年1月号<平成28年度 常陸大宮済生会病院 救急患者受入状況>※救急受け入れの人数を月別に表しています。(休日・時間外を含む)4 月5 月6 月7 月8 月9 月10 月11 月12 月1 月2 月3 月0100200300400500109232119291912341183161333149528398295122273救急車以外救急車おたふくかぜについて 健 康通 信常陸大宮済生会病院小児科小太刀 豪 先生おたふくかぜは、ムンプスウイルスによって発症する病気で、正式名称を「流行性耳下腺炎」といいます。流行性耳下腺炎は、唾液や接触によってヒトからヒトへ流行し、名前のとおり耳の下の“耳下腺”やあごの下の“顎下腺”が腫れ、痛みを伴います。潜伏期間は2~3週間程度で、片方または両方の耳下腺腫脹や発熱で発症することが多いですが、4人に1人は症状が出ずに治癒してしまう場合があります(これを不顕性感染といいます)。<診断・治療>典型的な症状であれば診察のみで診断できますが、超音波検査や尿検査などを行うと正確に診断できます。さらに確実に診断するには、血液検査を行う必要があります。この病気は特別な治療法があるわけではなく、基本的に自然治癒する病気です。感染時には鎮痛薬や解熱剤などを使用して、症状を抑えます。症状は約1週間程度で改善しますが、その間は疼痛のため食事が取れず、脱水で入院する人も多くいます。<合併症>この病気は、合併症が多いことで有名です。脳周囲にウイルスが侵入してしまう髄膜炎は数%の確率で発症するといわれ、5千人に1人は脳炎となり、重篤な後遺症や死亡につながる場合もあります。そのほかにも千人に1人が難聴となり、これは一生治らないといわれています。思春期以降にかかると精巣炎や卵巣炎を高い確率で発症し、不妊のリスクになります。また妊娠中に発症すると、自然流産の可能性が高くなります。他にも多くの合併症があり、これらを避けるためには予防が大切になってきます。つまり、『予防接種』が必要になってくるわけです。<予防>現在日本では、ムンプスワクチンの予防接種を1歳で行うことを推奨しています。また一度でも感染すると確実に免疫ができるため、再度感染することはありません。不顕性感染でも免疫ができます。そのため、感染した人は予防接種の必要はありませんが、本当に感染したかどうかは血液検査で抗体価を調べる必要があります。気になる方は医療機関で相談してみてください。おたふくかぜは合併症が多く、時に致死的となる疾患です。予防が最も効果的で、脳炎や難聴などの合併症を避けるためにも、予防接種をきちんと行いましょう。『1歳になったらムンプスワクチン!』