ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第10号2014(平成26年度)
- ページ
- 83/206
このページは 茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第10号2014(平成26年度) の電子ブックに掲載されている83ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第10号2014(平成26年度) の電子ブックに掲載されている83ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第10号2014(平成26年度)
Ⅵ研究報告・調査報告1-10涸沼の水質保全に関する調査研究事業1目的涸沼では,水質汚濁が顕著となっていたことから,平成12年3月に第1期水質保全計画を策定し,水質目標を定めて総合的な水質保全対策を実施してきた。種々の水質浄化対策を講じることによって水質は徐々に改善されてきたが,依然として環境基準の達成には至っていない状況であり,平成22年12月に第3期水質保全計画が策定され,新たな水質保全対策が開始された。本事業は,継続的な湖内水質調査及びプランクトン調査等により,水質汚濁機構の解明や水質予測シミュレーションの精度の向上,さらには効果的な水質保全対策検討のための基礎資料を得ることを目的としている。2調査方法(1)水質調査図1に示した地点において,湖内に設定した8地点(H1~H8)では上層水(水面下0.5 m)及び下層水(湖底上0.5 m)をポンプにより採水した。下流の涸沼川に設定した2地点(大貫橋,涸沼橋)では,表層水をステンレス製バケツで採水した。調査期間は平成26年4月から平成27年3月で,毎月1回,計12回調査をした。現地では水深,透明度,水温,pH,電気伝導率を測定した。また,H4地点において平成26年7月19日から平成27年3月6日まで,上層及び下層に多項目水質計を設置し,1時間間隔で現地の電気伝導率(EC)を測定した。また,11月にはH4地点において底泥コアをサンプリングし,底泥からのリン溶出速度を調査した。H1H2H3H5H4H6H7H8大貫橋図1涸沼調査地点図1調査地点涸沼橋(2)分析方法採取した水は当センターに持ち帰り,次の方法で分析した。懸濁物質量(SS)については孔径1μmのろ紙(Whatman, GF/B)を用いてろ過した。DOについてはウインクラー-アジ化ナトリウム変法により,化学的酸素要求量(COD,D-COD)については過マンガン酸カリウム(100℃)による方法により分析した。有機体炭素量(TOC,DOC)については全有機炭素計(SHIMADZU TOC-V CSN)で,全窒素量(TN,D-TN)及び全リン量(TP,D-TP)については窒素リン自動分析装置(ブランルーベ社製AUTOANALYZERⅢ)で,各態窒素量(NO 3 -N,NO 2 -N,NH 4 -N)及びリン酸イオン量(PO 4 -P)については形態別窒素リン自動分析装置(ブランルーベ社製AACS-Ⅱ)で分析した。塩化物イオン濃度については硝酸銀滴定法により,反応性溶存ケイ素(SRSi)についてはモリブデンブルー法により分析を行った。クロロフィル濃度(Chl.a,Chl.b,Chl.c)については,エタノール抽出液の吸光度を測定し,ユネスコ法の計算式により求めた。多項目水質計は東亜DKK製多項目水質計WQC-24(標準センサーモジュール)を使用した。底泥からのリン溶出速度調査は,採取したコアサンプル(カラム直径7cm,長さ50cm(泥の充填30cm,直上水20cm))をゴム栓で密封して,10℃と25℃の恒温槽に3本ずつセットし,一定期間(11月14日に開始,11月22日までは毎日,それ以降は3から6日ごとに12月16日まで)毎に栓を外し,底泥が巻き上がらないように撹拌した後,DOの測定及び採水を行った。DOの測定は蛍光式溶存酸素計(HACK社HQ30d)のセンサー部をカラムに挿入して行った。採水したサンプルは窒素リン自動分析装置(ブランルーベ社製AUTOANALYZERⅢ)で全リンを測定した。78茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No.10 2014