ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第10号2014(平成26年度)

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概要

茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第10号2014(平成26年度)

Ⅵ研究報告・調査報告1-5鉾田川流域における蓄積窒素調査事業1目的県では湖沼水質保全計画等を通して,霞ヶ浦流域における窒素投入量の削減をしているが,鉾田川の窒素濃度は長年上昇傾向にある(図1)。近年では窒素濃度が約10 mg/Lと年間を通して高く,その窒素濃度の多くは硝酸態窒素(NO 3 -N)である。鉾田川流域には畑地が広く分布していることから,堆肥等により畑地に投入された窒素成分が地下を通して河川に流出していることが考えられる。施肥された窒素は,有機態から無機態への分解や,地下水から河川への流出に時間がかかるため,流域内に一時的に蓄積していると考えられる。そこで,本事業では窒素について畑地土壌の鉛直分布と河川及び地下水の水質の調査を実施して,窒素の“蓄積”を把握することを目的とした。N (mg/L)161284その他NNH4-NNO2-NNO3-N(H20以降はNH4-Nを含む)0S60 H1 H5 H9 H13 H17 H21 H25図1鉾田川の窒素濃度(公共用水域及び地下水の水質測定結果より)2方法(1)調査地点・頻度土壌ボーリング調査は,平成26年9月に図2のBに位置する畑地(標高:約31 m)で行った。この畑地では,ビニールハウスでメロンを栽培している。なお,調査日はメロンを収穫してから数か月経過しており,その間は施肥されていない。河川調査は,h1~6の鉾田川支流を対象に月1回の頻度で行った。地下水調査は2か月に1回の頻度でI1(地下水位:約10 m),I2(地下水位:約40 m),I3(地下水位:約8 m)の3地点で住宅にある井戸水を蛇口から採取した。I1とI2は畑地の中に立地し,I3は住宅集落の中に立地している。NI1巴川Bh3h2鉾田川h1h4h5I2 I3h6長茂川河川調査ボーリング調査井戸水調査(2)分析項目・方法北浦土壌本体の分析項目は全窒素(TN)で,元素分析計で分析した。図2調査地点土壌間隙水(湿潤土壌を遠心分離,または蒸留水で抽出して採取)及び河川水,地下水の分析項目はTN,NO 3 -N,亜硝酸態窒素(NO 2 -N),アンモニア態窒素(NH 4 -N)で,オートアナライザーによる連続流れ分析法で分析した。鉾田川流域界66茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No.10 2014