ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第10号2014(平成26年度)
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茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第10号2014(平成26年度)
Ⅵ研究報告・調査報告1-4アオコ調査事業1目的霞ヶ浦のアオコ発生に関しては,アオコ回収等の対策に資する調査・研究が求められている。本事業では,アオコの原因となる藍藻類の出現状況を把握して,関係機関等に迅速に情報提供すると共に,アオコの発生要因について検討し,発生予測の精度を上げることを目的とする。2方法(1)調査期間平成26年6月4日から平成26年9月9日(計12回)(2)調査地点西浦調査は土浦港,土浦沖,湖心,山王川沖,高浜沖の5地点,北浦調査は安塚沖,武田川沖,釜谷沖の3地点で実施した(図1)。(3)測定項目及び測定方法連続流れ分析法により全窒素・全リン(TN,TP),各態窒素・リン(NO3-N,NO2-N,NH4-N,PO4-P)濃度を測定した。フィコシアニン濃度は,湖水を一定量ろ過してリン酸緩衝液で抽出し,蛍光光度計を用いて検量線法で測定した。クロロフィル濃度も湖水を一定量ろ過してエタノールで抽出し,吸光光度計を用いてユネスコ法で算出した。また,採水時にグルタールアルデヒドを添加した試料を用意し,検鏡により植物プランクトンの同定計数も行った。山王川沖土浦港土浦沖高浜沖安塚沖湖心図1調査地点図武田川沖釜谷沖3アオコの発生状況(1)フィコシアニン濃度の推移フィコシアニンは,アオコの原因となる藍藻類等に含まれている色素で,すべての植物プランクトンに含まれているクロロフィルよりも,アオコの現存量を反映しやすいと考えられる。フィコシアニン濃度は,西浦では山王川沖と高浜沖で,北浦では武田川沖でフィコシアニン濃度が高くなった。どちらも6月中旬が高く,山王川沖と高浜沖では400 g/L程度(アオコレベル2~3程度),武田川沖では1200 g/L程度(アオコレベル3程度)であった。また,水温が高い8月にはフィコシアニン濃度は低く,300 g/L程度(アオコレベル2程度)で推移する地点が多かった。例年,濃度が高くなる土浦港では最大116 g/Lであり,昨年度より大幅に低かった(昨年度:最大1590 g/L,H25.8.16)。フィコシアニン濃度( g/L)500400300200100土浦港土浦沖湖心山王川沖高浜沖1200900600300安塚沖武田川沖釜谷沖06月1日7月1日8月1日9月1日06月1日7月1日8月1日9月1日図2フィコシアニン濃度の推移(左:西浦,右:北浦)茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No.10 201463