ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第10号2014(平成26年度)

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概要

茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第10号2014(平成26年度)

Ⅵ研究報告・調査報告1-3霞ヶ浦湖内水質等モニタリング事業1目的霞ヶ浦において詳細な水質調査を継続的に実施し,水質汚濁状況の空間的・経時的変動を把握する。また,蓄積した水質データを他の研究事業及び今後の施策立案の基礎資料とする。2方法(1)調査期間平成26年4月から平成27年3月(2)調査区分月1調査及び週1調査(3)調査地点,調査頻度及び試料採取方法[月1調査]西浦,北浦,常陸利根川の全16地点(図1)。[週1調査]図1の16地点のうち,掛馬沖,高浜入,湖心の3地点高浜沖山王川沖安塚沖土浦沖玉造沖阿玉沖北浦掛馬沖牛込沖武井沖木原沖湖心釜谷沖西浦西の洲沖麻生沖爪木沖常陸利根川外浪逆浦図1調査地点湖水試料は上層(水面下0.5 m)及び下層(湖底直上0.5 m)で採水した。植物プランクトンの検体は鉛直カラムを用いて湖底直上0.5 mから鉛直引きして採取した湖水を試料とした。動物プランクトンの検体は,植物プランクトンの試料採取時に残った湖水を,40 ?mプランクトンネットで濾し,ネットに残った湖水を試料とした。(4)測定項目pH,溶存酸素量(DO),化学的酸素要求量(COD,d-COD),懸濁物質量(SS),全窒素濃度(TN,DTN),全りん濃度(TP,DTP),各態窒素濃度(NH 4 -N,NO 2 -N,NO 3 -N),りん酸イオン濃度(PO 4 -P),有機体炭素量(TOC,DOC),クロロフィル濃度(Chl.a,Chl.b,Chl.c),イオン濃度(Na +,K +,Mg 2+,Ca 2+,Cl -,SO 2- 4),反応性溶存ケイ素濃度(SRSi)3結果の概要(1) COD?湖心,釜谷沖の両地点で,4月(湖心:7.0 mg/L,釜谷沖:6.9 mg/L)と5月(湖心:8.6 mg/L,釜谷沖:8.5 mg/L)は過去5年(2008-2012年度)の平均値(以下,「平均値」という。)(4月:湖心,釜谷沖ともに10 mg/L,5月:湖心で9.8 mg/L,釜谷沖で9.7 mg/L)を下回り,湖心では7月(9.5 mg/L)に平均値(8.9 mg/L)を上回ったものの8月以降は両地点で平均値を下回った(図2)。図3に,霞ヶ浦の代表地点である湖心の上層で週1調査を行った結果を示した。春先はCODの変動が特に激しく,9月以降は変動が穏やかであることがわかった。また,掛馬沖及び高浜入では,湖心部よりも変動が大きく,特に高浜沖では6月中旬~下旬にかけて,6日間の間にCODが4.7 mg/Lも上昇した時期が見られた。茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No.10 201445