ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第10号2014(平成26年度)

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概要

茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第10号2014(平成26年度)

Ⅵ研究報告・調査報告(2)西浦の水質予測モデルによる対策効果の検証流域からの負荷量を削減した場合の水質を確認するために,負荷を現在より30 %削減した場合に,どの程度りん濃度が改善されるか検証した(図3)。その結果,削減した場合の5ヵ年平均値が0.08 mg/Lとなり,流入負荷削減対策を講じない場合の0.09 mg/Lに比べて水質はやや改善されたが,負荷削減割合の30 %までは低減していないことが確認された。特に2010年の夏以降は負荷を削減した場合でも削減しない場合でも同様に推移していた。これは,流入負荷を削減したために湖内のN/P比が変わり,結果として難分解性の有機物が増えたためだと推測される。なお,この状況は琵琶湖でも確認されている。0.16観測値計算値計算値(流入負荷量削減)TP (mg/L)0.140.120.100.080.060.040.020.002007/12008/12009/12010/12011/12012/1図2西浦におけるTP濃度の観測値と,西浦の水質予測モデルの再現計算値と負荷削減した場合の計算値(3)霞ヶ浦全域の水質予測モデルの構築及び再現性の検証個別に構築した西浦と北浦の水質予測モデルを,常陸利根川を境に結合させ,霞ヶ浦全域の水質予測モデルを構築した。構築した全域の水質予測モデルを用いて,平成18年度から平成25年度(平成25年度については12月まで)の連続計算を実施し,モデルに含まれていない息栖を除く環境基準点の計算値と観測値の年平均値(H25年度は4月から12月までのデータを使用)を比較した。その結果,CODと窒素については長期間の傾向が概ね再現できているが,特に窒素では,計算値が全体的に過小評価されていることが確認された。また,りんについては特に平成23年度以降,実測値と計算値の乖離が確認された。このように,窒素とりんについては,パラメータ等の修正により再現精度を高めるが必要がある。茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No.10 2014127