ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第10号2014(平成26年度)

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概要

茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第10号2014(平成26年度)

Ⅵ研究報告・調査報告ぞれ10 m,40 m,8 mである。地下水の窒素濃度を測定したところ,畑地に立地しているI1は22 mg/L,I2は5.0 mg/Lで,集落に立地しているI3は1.5 mg/Lと畑地ほど高い濃度であった。また,畑地に立地している2つの地下水でも濃度が大きく異なっていたことから,同じ土地利用内の地下水であっても同程度の濃度とは限らず,場所や地下水の採取深度によって異なることが確認された。N (mg/L)2520151050その他NNH4-NNO2-NNO3-NI 1I 2I 3図3地下水の窒素濃度(2)土壌及び土壌間隙水の窒素濃度調査メロンを栽培している畑地,休耕畑地,森林地,荒地,市街地の5か所において,土壌及び土壌間隙水の窒素濃度の鉛直分布を調査した。メロンを栽培している畑地及び森林地の結果を図4に示す。土壌に含まれている窒素含有量では,畑地と森林地で大きな違いは無かったが,間隙水においては,森林地に比べて畑地で高濃度の窒素が確認された。また,畑地の間隙水の窒素濃度は,表層に近いほど高かった(深度0~0.8 mの土壌では74 mg/L)。このことから,施肥によって投入された窒素が土壌に鉛直浸透していると考えられる。一方,森林地で濃度が低かった理由として,森林地では施肥されていないので窒素投入量が少ないことや,窒素が木に吸収されていることが考えられる。土壌土壌間隙水土壌土壌間隙水TN DTN NO 3 -N NO 2 -N NH 4 -NTN DTN NO 3 -N NO 2 -N NH 4 -N0 m0 m(mg/g-dry) (mg/L) (mg/L) (mg/L) (mg/L)5 m(mg/g-dry) (mg/L) (mg/L) (mg/L) (mg/L)5 m10m10m図4土壌(左図:畑地,右図:森林地)の窒素鉛直分布(3)鉾田川流域における窒素循環モデルの構築鉾田川の水質予測を行うとともに,流域土壌における窒素動態及び窒素の蓄積状態を検討することができるモデルを構築した。このモデルは,地質データを考慮した有機態・無機態窒素の涵養・拡散地下水への移行及び霞ヶ浦への表面,中間,地下水流出を予測出来るモデルである。このモデルに気象データや土地利用・負荷投入量等のデータを入力することにより,河川水質の再現や将来予測,さらには土壌中に蓄積されている窒素量を推定することができる。124茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No.10 2014