ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第10号2014(平成26年度)
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茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第10号2014(平成26年度)
Ⅵ研究報告・調査報告(1)各地点のりん濃度(TP)の推移浄化施設の処理対象項目であるTPについて,各地点の水質の推移を図2に示す。各クールの稼働前と稼働後では明らかに稼働後の濃度が低下していた。濃度推移をみると平成25年度(10月~3月)の濃度は低く,平成26年度の4月からの濃度が高くなる傾向がみられた。特に,平成26年度の第1クールと第2クール(春季)で濃度が高くなっていた。春になり,気温の上昇と共に,植物プランクトンの量が増え始めたことや処理水量が5,000 m 3 /日と少ない条件で運転したためと考えられる。夏季の第3,4クールで処理水量を10,000 m 3 /日にしたことにより,濃度は低下傾向を示した。各調査地点間の濃度をみると,全調査期間で地点1,2<地点3,4,5<地点6の順になっている。地点6の土浦港入口は浄化施設の放流口から最も遠く,施設稼働の影響が小さいこと,霞ヶ浦と接しており,湖水の影響が大きいために値が高くなったと考えられる。地点1地点2地点3地点4地点5地点60.250.20第1クール平成25年度第2クール第3クール第4クール第1クール平成26年度第2クール第3クール第4クールTP(mg/L)0.150.100.050.00採水日10/2211/1912/171/142/113/114/85/66/37/17/298/269/23図2各地点のTP濃度の推移実線枠:処理水量10,000 m 3 /日,破線枠:処理水量5,000 m 3 /日の稼働条件(2)りんの改善率による水質評価図3に地点毎の改善率(総平均値)を示す。改善率は浄化施設稼働時の効果を推定するために湖水と同等と考えられる地点6の値を考慮して求めた(式1)。表1に改善率を示した。改善率は,調査地点や季節の違い,処理水量などの条件によって傾向が見られる。改善率の総平均をみると,地点1,2>地点3>地点4>地点5の順になっており,浄化施設の放流口に近いほど改善効果が高い傾向がみられた。特に,地点1,2は,その他の地点と比較して2倍以上,改善率が向上していた。次に,季節による改善率の違いを図4に示す。改善率は,各季節共に地点1,2>地点3>地点4>地点5の傾向は変わらない。処理水量条件を加えた改善率をみると,冬季(10,000m3/日),冬季(5,000 m 3/日)>夏季(10,000 m 3/日)>夏季(5,000 m 3/日)の傾向がみられ,冬季のほうが夏季より,10,000 m 3/日のほうが5,000 m 3/日より改善効果が大きくなることを確認できた。なお,各季節の値は,浄化施設が安定に稼働した,冬季(5,000 m 3 /日):H25年度第2クール,冬季(10,000 m 3 /日):H25年度第4クール,春季(5,000 m 3 /日):H26年度第1,2クールの平均,夏季(10,000 m 3 /日):H26年度第4クールを用いた。改善率=((地点6の水質の値-各地点の水質の値)/地点6の水質の値)×100*計算には稼働最終日の水質の値を使用,透明度は符号を反転…式1110茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No.10 2014