ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第10号2014(平成26年度)

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概要

茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第10号2014(平成26年度)

Ⅵ研究報告・調査報告1-13霞ヶ浦水質等の詳細調査研究(水生植物による調査研究)1目的霞ヶ浦における水生植物は,水質環境の悪化とともに減少しており,特に沈水植物が顕著に減少している。そこで,霞ヶ浦の湖辺において試験地を設置し,かつて沈水植物が繁茂していた底泥を試験地に移設することでシードバンクによる沈水植物の発芽・成長を検討し,あわて沈水植物が水質に与える効果を明らかにする。2方法(1)調査期間平成24年4月~平成27年3月(2)調査方法試験は,土浦市田村地区で行っている自然再生事業のA工区に試験池(5m×5m×1m(深さ))を3池設置し(図1),池ごとに条件を変えて比較を行った。(3)調査内容図1試験池1平成24年度試験池1はエビモ,ササバモ,シャジクモを植付け(7月上旬),試験池2は水生植物を取り除き,試験池3は放置し,水質の変化を調べた。2平成25年度試験池1は山砂を入れ,沈水植物が繁茂していた霞ヶ浦の底泥を撒き,試験池2は沈水植物が繁茂していた霞ヶ浦の底泥を撒き,試験池3は放置し,沈水植物の発芽について調べた。3平成26年度前年度から引き続き沈水植物の発芽と水質について調べた。3結果の概要(1)平成24年度の結果について試験池1は,8月上旬までササバモが繁茂したが,8月中旬にはアオミドロの繁茂により,ササバモやエビモが衰退した。シャジクモは当初から成長が悪かった。試験池2は,透明度が低く,除草前でも水生植物は見られなかった。試験池3は,ウキヤガラ等の数種の水生植物の生育が7月頃から見られた。水質調査は,7月13日から12月26日の間に12回行った。8月中旬に沈水植物が衰退したことから,沈水植物が繁茂していた8月までを期間1,沈水植物が衰退した9月以降を期間2に分けて,表1に示した。沈水植物が衰退する8月末までの4回の,沈水植物を移植した試験池1の水質は期間2の水質よりもSS及びTPが低く,沈水植物の水質改善効果があったと考えられる(表1)。また,9月から12月までの水質を見ると,試験池1の水質が他の池よりも悪化しており,沈水植物やアオミドロの遺骸が水質に影響したと考えられる。茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No.10 2014107