ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第10号2014(平成26年度)

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概要

茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第10号2014(平成26年度)

Ⅵ研究報告・調査報告1-11牛久沼の水質保全に関する調査事業1目的牛久沼は茨城県南部に位置する湖面積3.4 km 2 1),平均水深1 mの浅い湖沼であり,3つの肢節部を有する堰止め湖である(図1参照)。主に谷田川,西谷田川,稲荷川が牛久沼に流入し,小貝川を経て利根川に流出する。農業用水として利用されるほか,古くから漁場として親しまれる湖沼であるが,その水質は昭和50年代後半から悪化した。流域で様々な排出負荷削減対策が行われているが,COD等の項目で水質汚濁に係る環境基準を達成していない。そのため,牛久沼における詳細調査を実施し,汚濁機構解明のための基礎資料とする。2調査方法(1)水質調査・調査期間及び頻度:平成26年4月~平成27年3月,月1回・調査地点:湖内8地点(L1-L8)の上層(水面下50cm)及び下層(湖底上50cm),流入河川4地点(R1-R4)及び流出河川1地点(R5)の表層(図1参照)・調査項目:COD,全窒素(TN),全りん(TP)等・分析方法:JIS K0102に準拠(2)プランクトン調査・調査期間及び頻度:(1)と同じ・調査地点:湖心(L1)上層・調査項目:植物プランクトンの細胞数及び生体積,動物プランクトンの個体数R3R2西谷田川谷田川R1L3L5L4L2※L1:湖心稲荷川R4R-5L1R5L6L7L8図1牛久沼調査地点図3調査結果及び考察水質調査結果は全地点の平均値を用いた。上層と下層は同様の傾向であったため本報告では上層の結果のみ示す。また,植物プランクトン調査結果は平成23-26年度,動物プランクトン調査結果は平成16-26年度の出現状況を報告する。(1)水質の経年変化(図2参照)1 COD:湖内及び流入河川は平成14年以降で最も低い値であった。2全窒素:湖内は平成23年度以降に変化が少なく横ばいで推移した。流入河川は平成15年度以降に減少する傾向がみられている。3全りん:湖内は平成14年度以降で最も低い値であった前年度からやや増加した。流入河川は平成14年以降で最も低い値であった。4クロロフィルa:湖内は平成19年度以降に増加する傾向がみられている。流入河川は横ばいで推移した。(2)平成26年度の水質(図3参照)過去5年平均値(平成21-25年度)と比較した。1 COD:過去5年平均値は7.9mg/lで,平成26年度平均値は6.6mg/lであった。経月変化の増減傾向は例年と異なり,夏季に大幅に低くなった。2全窒素:過去5年平均値は1.7mg/lで,平成26年度平均値は1.8mg/lであった。経月変化の増減傾向は例年どおりだが,6月や10月に高めになった。3全りん:過去5年平均値は0.074mg/lで,平成26年度平均値は0.069mg/lであった。経月変化の増減傾向は例年どおりだが,4月や9月~10月に低めであった。4クロロフィルa:4月から9月まで平年並み~高めで推移した。10月以降は例年並みに推移した。茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No.10 201495