ブックタイトル広報いたこ 2016年3月号 Vol.180
- ページ
- 7/20
このページは 広報いたこ 2016年3月号 Vol.180 の電子ブックに掲載されている7ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 広報いたこ 2016年3月号 Vol.180 の電子ブックに掲載されている7ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
広報いたこ 2016年3月号 Vol.180
7広報いたこ20163月号Vol.180文化大門とは、施設の外郭に在る大きい門である。大門河岸とは、大門の在る河岸とすれば長勝寺の大門が在った所の河岸とみることが出来る。長勝寺の山門から河岸まで二五〇メートルである。大門河岸を、長勝寺の大門が在る河岸の故に、大門河岸と解すると、常陸風土記の行方の条に、板来の村あり、近く海浜に臨みて、駅家を置けり。此を板来の駅と謂う。板来の駅家は、長勝寺附近に設けられたとみてはどうか、ここに駅家が置かれた頃からの船着場であって、この船着場を利用し、船着場からの直線道路が正門路となり、総門である「大門」が浜辺に建てられたので在ろう。そして、船着場はより整備されて、大門河岸となったのである。潮来市文化財保護審議会委員谷玄明大門河岸シリーズ第104回肌寒い日が続きますが、湖のなかは春めいてきました。シラウオの繁殖シーズン真っ盛りです。この時期のシラウオは波打ち際に群れています。オスはしりびれ基部にある吸着器(特殊なウロコが並んだもの)でメスにくっつき、メスは砂地に卵をまき散らします。卵には特殊な粘着糸があり、その糸で砂粒に付着します。波打ち際での産卵は過酷なようですが、捕食者が近付けないという利点があるようです。霞ヶ浦・北浦では年間100トン以上のシラウオが漁獲されますが、3月中は資源保護のために休漁となります。シラウオは潮来を代表する地魚で、古くから煮干しなどで食されてきました。私も年に数回は投網で採集し、天ぷらで食べるのが楽しみです。菜の花との卵とじ、オリーブオイル煮(アヒージョ)も絶品です。徳川将軍家による利根川東遷事業で、潮来は水運の物流拠点となりました。その将軍家が愛好したのがシラウオです。江戸前でシラウオが採れる季節は、毎日のようにシラウオ役の漁師に献納させました。一説によると、シラウオの頭頂の模様が将軍家家紋の葵に見えるため愛好されたとのこと。ただ、シラウオの美味しさが好まれたことも間違いないでしょう。江戸前のシラウオは1962年に絶滅し、関東でまとまった漁獲があるのは霞ヶ浦・北浦と涸沼だけです。この貴重な食文化を地域ぐるみで守っていきたいものです。茨城大学広域水圏環境科学教育研究センター加納光樹自然水郷の魚たち―シラウオ潮来市の誇れる自然シリーズ第10回まちづくり・潮来の自然と歴史を知るまちづくり・潮来の自然と歴史を知る北浦のシラウオ(成魚、体長77mm)潮来市の誇れる文化