ブックタイトル東海村 第5次総合計画 後期基本計画

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概要

東海村 第5次総合計画 後期基本計画

第1章基本理念えいち村民の叡智が生きるまちづくり~今と未来を生きる全ての命あるもののために~1.基本理念の策定にあたって第5次総合計画では,わが国と東海村をとりまく基本的認識を前提に,“真に豊かな社会の実現と10年後も持続可能なまちづくり”を検討する上で,次のような基本方針を考えました。地方分権の時代において,市町村は国以上に住民の幸福維持の主役として活躍することが期待されており,東海村の住民が感じる生きがいを想定した東海村らしい計画が策定されなければなりません。また,短期的な社会の動きによって変化するものではない,普遍的な方向性も示される必要があります。そして,何よりも大事なことは,生涯を満ち足りた心を持って送りたいという一人ひとりの思いや,将来に対する住民の意思を満遍なく汲み上げた総合計画であることです。そのような総合計画を作成するために,多くの住民の知恵と叡智を集めました。20世紀末に「臨界事故」という最先端科学分野における歴史的事故を経験した東海村民には,第5次総合計画が目指すまちづくりを実現させ,自然環境や先端科学技術と共生する新しい「叡智」を世界に向かって発信する責任があると言えるでしょう。このような基本方針を集約したものとして,基本理念「村民の叡智が生きるまちづくり」を位置づけました。2.基本理念基本理念「村民の叡智が生きるまちづくり」とは「10年後も持続可能で真に豊かな」東海村となるために,すべての人の叡智を,今の叡智も未来の叡智も結集して取り組もうという姿勢を示しています。叡智とは,単に知識が豊富であることでも,特別な人が持っているものでもありません。人への思いやり,家族や社会に対する責任感,自然を愛する心,謙虚に学ぶ姿勢など,すべての人の中に宿っている智恵を意味しています。個々の知識や智恵をつなぎ合わせていくことで叡智が生まれます。人類はその誕生以来,数多くの文明を生み,今日の人間社会の繁栄を築き上げてきました。それを可能にしたものこそ,このような多様な人間による叡智でした。もちろん,人類は,多くの失敗も経験してきました。しかし,失敗から学んできたからこそ,人間社会は持続してきたのです。1999年のJCO臨界事故により,私たち東海村民は「臨界」に関する物理学の知識だけでなく,社会がこれをコントロールするための叡智を持たなければならないことを教えられました。東海村は,この事故から学んだ叡智を世界に発信していく責務があります。叡智は知識の探究を否定するものではありません。原子力は,自然科学の知識を探究する長い営みの中で発見・発展し,今日の生活水準の維持に役立っています。今後も東海村は,様々な科学技術の知識の創造に貢献6