ブックタイトル広報かさま 2015年12月号 vol.117
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広報かさま 2015年12月号 vol.117
現役時代からアイボに携わったことがなかった船橋さんは、どのような構造になっているのか設計者のもとを訪れ、一から学びました。しかし構造が分かっても部品もなく、それを作る工場もなかったため、とても悩みました。そこでアイボとは何の関係もない町工場などに出向き、部品を作ってもらい、代用品として対応しました。簡単なものは自作もしました。最初のアイボを直したときは、修理が終わるまで3か月もかかったそうですが、「直って当たり前のものが直らないと、技術者としては悔しい。どうして直らないのか調べたくなる。だから、直ってしまえばオーディオを直したときと一緒で特別な感情はありませんでした」と苦労したにもかかわらず、直した喜びは特になかったと言います。しかし、1週間ぐらい経ってから、依頼されたおばあさんから電話があり、その喜びようにとても感激したそうです。依頼主にとっては、家族同然にかわいがっていた犬が生き返ったとも言え、ただの機械を直しているのではなく、飼い主の愛情が注がれた人工知能をもつアイボだからこそ味わうことができた感情でした。この一体を修理したことにより、アイボの修理依頼が舞い込むようになりました。「とにかく、忙しくなりました。この仕事を引き受ける条件は、ゴルフが一番、修理は二番という約束のはずだったのに、乗松のモットーは“基本は断らない、まず見させてください”なんです。だから、ここ最近は以前ほど大好きなゴルフに行けていませんね。」船橋さんが自宅に預かっているアイボは現在10体ぐらいですが、修理を待っている数は300体以上もあるそうです。1か月に1体のペースで修理をしているそうですが、今計画しているアイボを直す工場が稼働すれば、1日2体は修理できるようになるとのこと。「もう少しでゴルフが一番、修理は二番目に戻れるかな」と苦笑いをしながら語っていました。修理だけではなく次の展開へ「実は、違う展開に持っていこうと思っています。この前、介護施設に5体のアイボを預けてみたんです。認知症の方がどのように触れ合うのか見ていると皆さん、うれしそうな顔でほほ笑むんです。動物と一緒に同じようにかわいがるんですよ。病院などは犬や猫はだめでしょう。だから、ロボットならいいだろうと、あちこちの施設に貸し出すという計画もできています。いわゆるアニマルセラピーですね。」「飼い主の喜びが僕のエネルギーです」治療を待つアイボ平成27年広報かさま12月号(vol.117)4