ブックタイトル広報 結城 2015年11月号 No.650

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概要

広報 結城 2015年11月号 No.650

15)第五十回〈前回のあらすじ〉子春丸の案内によって、将門の館に少数の家来しかいないことを知った良兼は、その日のうちに夜討ちをかけることを決めました。良兼は多くの家来をつれて将門の館へ向かいますが、将門が八畑に住ませていた家来によって、良兼の動きは将門に伝わり、将門は少数の家来とともに良兼を待ち受けていました。良兼の一隊は、将門の館の前にくると、かねてからの手はずの通り、二隊に別れ、一隊は北の入口の方に、他の一隊は南の入口に向かおうとしました。その時です。突然、暗闇の中からうなりを発して、次から次へと矢が飛んできました。矢は馬上の兵士の何人かにあたりました。「ウワーッ」という悲鳴があがり、数人が落馬しました。休みなく飛んでくる矢は、何頭かの馬にもあたり、「ヒヒヒヒイイインッ」と、するどい鳴き声をあげ、跳びはねる馬、驚いて走り出す馬がありました。良兼の一行は不意を襲おうとして、油断をしていたところ、逆に不意をうたれ、大混乱におちいりました。暗闇の中から飛んでくる矢に恐怖がさらに増してきました。馬を返して逃げ出す者もあらわれました。こうなっては、もう良兼としてもどうしようもありません。良兼は思いがけない突然の襲撃に、混乱した一隊の指揮をとりかねて、「返せ」と命令を発し、馬に鞭をいれました。一隊は我先にと、もときた道をもどりました。将門は、良兼の一行が大混乱しながら逃げ出したのを見ると、家来たちに、「逃がすな、追え」と、命令するが早いか、馬にまたがり走りだしました。将門たちは、一目散に逃げていく敵の兵士に追いつくごとに、切り落としていきました。戦いが起こったことを知って、近くに住む農民たちも身じたくを整えて加わってきましたので、将門側の兵士はどんどん増えていきました。この戦いで、良兼側は約半数の四十人近い兵士が討取られてしまいました。翌朝、落馬によって骨折して動けなくなっていた敵の兵士を捕えて、昨夜の夜襲について白状させました。捕えられた兵士は、八十数人で来たこと、将門の家来の子春丸の案内で館の様子をさぐったことなどを話しました。将門は子春丸の手助けで襲撃してきたことを知ると、烈火のごとく子春丸に怒りを感じ、すぐに子春丸を捕えるように部下に命じました。子春丸は一か月程後、石田の親せきの家に隠れていたところを捕えられました。捕えられた子春丸は、石田の南の端におい茂る赤松林の一角で首を討たれてしまいました。この戦いに敗れた良兼は、敗戦のショックと病気とが合いまって、翌年の六月に死んでしまいました。良兼が病死した後、将門は勢いに乗じて、常陸の国の国府(今の石岡市)、下野の国府(今の栃木県国分寺町)、武蔵の国(埼玉県)、相模の国(神奈川県)にも攻め入り、自分の領地としてしまいました。(その十三へつづく)不動明王(十二)市の人口・52,641人(男:26,439人・女:26,202人/19,666世帯)10月1日現在有料広告欄