ブックタイトル広報 稲敷 2015年11月号 No.128

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概要

広報 稲敷 2015年11月号 No.128

21広報稲敷平成27年11月号arts and literature稲敷文芸連夜なる雨に細りし虫の声小林寿恵王(田宿)秋霖りんや中也の詩集膝に置き篠田邑草(新山)一艇の水尾引く湖や秋澄めり増田みきお(羽賀)河鹿鳴く落合ふ渓たにや箱根宿矢口由里子(西町)萩咲きて色を貰ひし雫かな酒井重雄(小羽賀)長雨は花に重たし秋しゅう海かい棠どう代静(犬塚)山頂に着くや蜻とんぼ蛉のおびただし幸田不死男(荒宿)衣きぬかつぎ被塩を利かせてほおばりぬ青木啓泰(本宿)新涼の中軽々とペダル漕ぐ宮本芳子(切通)筑波嶺も八溝も遥か曼珠沙華岡村敏子(新山)これほどに母を恋しと想ふ秋根本京子(高田)咲き出しし萩を泣かせし雨一日山田とみ代(月出里)濁流や里呑みこんで稔り田も細川悦子(荒宿)コンバイン刈田に轍わだち痛々し小貫和子(浮島)暁に鳴くかなかなの遥けしや富元禮子(古渡)大根蒔く準備整い島の畑山崎幸子(浮島)友の顔思い出せずに拭う汗坂本きよ子(下馬渡)柿たわわ真っ赤に熟れていて小さし根本ナカ(神宮寺)遠花火消えて一筋飛機の影大久保晴代(古渡)紅白の玉舞う空や秋高し鴻野のぶ尾(堀之内)十円で売られる卵産む鶏は狭いケージで虚しと嘆く雨宮美世志(高田)美しい地球でおこる争いに祖国を捨てる難民の辛さ財部睦美(光葉)テリトリーとなすやひよどり朝まだき枇杷の木揺らし声けたたまし坂本緑(鳩崎)寂しさや夫つまの年回済みし夜はこの世の別れしばしなぐさむ松本静子(西町)大雨で堤防決壊鬼怒川がまちを呑み込む自然の猛威山本彰治(高田)棚経の僧に団扇で座し扇ぐ亡母の言葉に幼き吾は山口須美子(上君山)生なりきりし古枝を切りて手をかける茄子の紫日に輝けり篠田すい(下太田)七月に二人の男児誕生すまごまごしながらうれしきかぎり椎木道代(柴崎)ありがとうレジ打つバイトの少年に言えば爽やか笑顔のかえる宮渕敏江(下太田)犬を抱き屋根に逃れし二人あり軒先すでに濁流の渦川村とみ(堀川)虫たちは花食べつくし食欲をあきらかにして今を輝く吉田テル(伊佐津)草むらにかぼちゃが二つ実を結ぶいのちの強さ我に教えり岡野千恵子(伊佐津)見はるかす千里色づく稲穂波秋のま近き郷の夕ぐれ諸岡静江(伊佐部)はやばやと秋雨前線居すわりて八月の尽く残暑なきまま板橋道子(福田)しだれ柳ゆらりゆらりと人知れず川面掃きおり小舟行かせて坂本弥太郎(幸田)憂きことの重なるこの頃にはあれど生いのち命の限り生きねばならぬ小泉實(福田)しみつきし酒とタバコを臭わせて「大利根無情」夫夢に歌う諸岡ふじ枝(結佐)太陽のひとり沈むは淋しきや雲をいざない夕茜曳く柴崎文子(町田)力なく名残りの風鈴鳴る部屋に風おもむろに秋をはこび来根本邦子(押砂)救急車一度お世話になりし身は音聞く度に感謝湧きくる根本冨貴子(田宿)昔から暴れ川とう鬼怒川は強く大きく暴れてしまう矢崎健一(古渡)瓜漬けに刻み茗荷を薬味とし朝餉の卓に土の香を食はむ吉田多嘉子(伊佐部)俳句短歌