ブックタイトル茨城県近代美術館/美術館だより No.102
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茨城県近代美術館/美術館だより No.102
MOMAIBARAKI茨城県近代美術館美術館だよりC ontents1企画展「6つの個展2015」より(近代美術館)2展覧会紹介「6つの個展2015」(近代美術館)ひだしゅうざん3展覧会紹介「没後70年飛田周山展―五浦で学んだ画家たち」(五浦美術館)4展覧会紹介「幸せはどこにある?」(近代美術館)5事業レポート6ー7所蔵品追跡レポート「戦争」と「埴輪」と「煙突」と―8インフォメーションNo.102September 8, 2015近代美術館企画展「6つの個展2015」より立見榮男「竜神雷神逍遙」平成20(2008)年石川県立美術館蔵画面をくっきりと区切る鮮やかな黄色の帯。そして緑、赤紫など様々な色彩が、下から伸びやかに広がっていきます。その中をよくみると、竜神あるいは雷神とおぼしき姿や、植物などのモティーフが描き込まれているのが判ります。竜神、雷神とはいいながら、あまり恐ろしげな印象はなく、ユーモラスで可愛らしい妖精、あるいは精霊とみるのがいいのかもしれません。こういった架空の生物や動植物を交えながら、作者は独特の感性で自然の姿を描き出していきます。また作者はときに、日本の古美術などからもモティーフを借用します。この作品には九谷焼の皿が描き込まれているのが判るでしょうか。画面を横切る黄色の鮮やかな平面と、植物が密生する空間とが交錯し、同時に細やかなモティーフが生み出す装飾性と、ダイナミックな筆遣いとの対照が、目を愉しませてくれます。作者は茨城に移る以前、幼少期から高校卒業までを金沢で過ごしましたが、その金沢ゆかりの九谷焼の色彩が、鮮やかな画面の色彩に反映されています。[近代美術館主任学芸員井野功一]1