ブックタイトル広報つちうら 2015年10月上旬号 No.1156

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概要

広報つちうら 2015年10月上旬号 No.1156

15広報つちうら2015.10.1昭和52年に国指定史跡となった上高津貝塚は、平成7年10月に考古資料館と屋外の広場などを備えた「上高津貝塚ふるさと歴史の広場」として開館し、今年で20年になりました。史跡整備においては、発掘調査によって得られた成果を最大限に活かし、縄文時代の環境を復元することが目指されました。特に屋外の広場には、縄文時代の建物や貝層断面展示施設などが整備され、周囲には縄文時代の植生を復元しました。植生復元の整備では、貝塚周辺において実施されたボーリングコアの堆積物を用いた花粉分析の結果や、推測される縄文時代の関東地方の自然環境を考慮し、樹木を選定しました。特に花や実の成る樹種を選び、現在、広場では「縄文時代の森」を観察することができます。現在広場には、クリ約10本、クルミ約3本、トチノキ約20本、コナラ約5本、スダジイ約10本、アラカシ約18本、シラカシ約20本、スギ約24本など、約30種、計1000本以上の樹木が植栽されて127上高津貝塚と復元された縄文の森います。どれも縄文時代に食べ物や建築材、容器などとして重要だったものです。近年、有機質の遺物が腐らずに残りやすい低ていしっち湿地遺跡の発掘調査が進んだこともあり、縄文人の植物利用について多くのことがわかってきました。特に縄文時代に重要であった樹木としては、クリ、クルミ、トチノキの3種類があげられるでしょう。例えば青森県の三さんないまるやま内丸山遺跡では、縄文人が集落内にクリ林を維持・管理していたことがわかってきました。関東地方でも、東北地方と同じように、クリの集約的な利用がされていたようです。縄文時代の後期以降になると複雑なアク抜きが必要なトチノキの利用が始まります。ちょうど上高津貝塚の時期になります。上高津貝塚と同じ時期の低湿地遺跡を代表するものとして、栃木県の寺てらのひがし野東遺跡や東京都の下しもやけべ宅部遺跡があります(10月からの第14回特別展で出土遺物を展示予定です)。これらの遺跡からは、クルミ塚やトチ塚など、食用後に廃棄した大量の木の実の殻が見つかっています。上高津貝塚の広場でもクリやクルミ、トチノキ、ドングリ類などいろいろな実を見つけることができます。上高津貝塚縄文人もこれらの実を採って生活していたのでしょう。広場で縄文時代の風景を感じてみてください。広場の植物の花や実の見頃については、上高津貝塚のホームページにて、毎月「モン太とつちまるの植物日記」を更新しています。ぜひチェックして、実際に観察しに来てください。15広報つちうら2015.10.1また10月17日?から開催される特別展の関連行事として「縄文の森をしらべて遊ぼう」と題した講座を2回開催します。広場の観察と簡単などんぐりの工作をしますので、お気軽にご参加ください。(申込不要)問上高津貝塚ふるさと歴史の広場(?826・7111)広場の植物マップ広場のトチノキと実