ブックタイトル広報さくらがわ 2015年10月1日号 No.241
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広報さくらがわ 2015年10月1日号 No.241
歴No.62教育委員会生涯学習課伝承館グループ(? 0296-23-8521)史資料館だより戦後七十年を考える真壁伝承館歴史資料館では、第7回企画展として、「戦いのカタチ」を開催しています。この企画展は、今年が第二次世界大戦の終戦から70年になることを受けて企画したもので、資料館の収蔵品や市内外の方々からお借りした、戦争・戦いに関わる品々を展示しています。ここではその中からいくつか代表的なものを紹介していきましょう。一つ目は、焼しょう夷い弾だんです。戦時中、日本は幾度となく空襲を受けました。展示しているものは、米軍のB29爆撃機から投下されたM69焼夷弾で、木と紙でできた日本家屋が炎上しやすいよう、グリセリンなどをガソリンと混ぜて粘着性のある油脂にし、鉄製の缶につめたものです。東京都豊島区の巣鴨遺跡から出土した実物です。二つ目は、飛行機のプロペラです。これは紫尾小学校に長く保管されていたものですが、なぜ小学校にあったのかは不明です(もしご存知の方がいればぜひ教えてください!)。最初はどういう飛行機のプロペラなのかも分かりませんでしたが、刻まれていB29爆撃機から投下されたM69焼夷弾た型番などを手がかりに調べてみると、旧日本軍の一いちさんしき三式艦かん上じょう攻こう撃げき機きという飛行機のものであることが分かりました。この一三式艦上攻撃機は宮みやざき崎駿はやお監督の映画「風立ちぬ」にも登場しています。三つ目は、戦闘機の増ぞうそう槽です。増槽とは追加燃料タンクのことで、機体の下や翼下に取り付けられ、長時間の飛行を助ける装備です。敵と出会った時に空中で切り離して投棄するものでした。展示している資料は、旧日本軍の戦闘機、紫し電でんに搭載されていたものです(先のプロペラとはまったく別の機体です)。昭和20年6月23日、米軍機を迎撃するために筑波海軍航空隊(笠間市)から出撃した紫電の部隊は筑波山上空付近で戦闘になりました。その際に撃墜された内の1機が真壁町羽鳥の山中に墜落。その後、付近の方々の捜索により遺体が見つかり、遺品から乗っていたのは桑くわばら原安やす夫おさんと分かりました。増槽もこの時の戦闘のものと思われ、捜索に加わっていた真壁町東山田の鈴すずき木家で70年間保管されていたものをお借りして来ました。今年は戦後70年、ということで、テレビや新聞などでも関連する番組や報道がなされています。安全保障に関する話題なども多数取り上げられており、戦争に関することを考える機会が多くなっているのではないでしょうか。そうした中で、今回紹介したような品々は、戦争の記憶を今に伝える貴重なものです。これらを間近で見て、感じることの出来る機会ですので、ぜひ資料館でご覧になってください。一三式艦上攻撃機のプロペラ(木製)増槽(側面には桑原さんを悼んだ詩が書かれている。)13さくらがわ2015.10.1