ブックタイトル広報 稲敷 2015年10月号 No.127

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概要

広報 稲敷 2015年10月号 No.127

23広報稲敷平成27年10月号arts and literature稲敷文芸俳句短歌それぞれの想ひ重かり終戦日小林寿恵王(田宿)葉に隠れ大樹も圧おさふ夏の藤酒井涼花(小羽賀)玉砕と言う語に祈り終戦日酒井重雄(小羽賀)満たぬ食に母とあくせく終戦日矢口由里子(西町)法師蝉明日なき如く声高し宮本芳子(切通)終戦日またぞろ聞こゆ軍いくさ歌うた石井忠(橋向)人消えて鉾田の海に鮫泳ぐ青木啓泰(本宿)棚経の僧に団扇の馳走かな山口須美子(上君山)油蝉鳴けば暑さの加わりぬ幸田不死男(荒宿)夕暮は秋の風へと変わりけり根本京子(高田)思い出を話して偲ぶ盆供養福本きみえ(新山)天平の甍を見上げ蓮の花宮本公夫(月出里)侘しさや秋草繁る城の跡細川悦子(荒宿)手仕事や風を作りし団扇かな山田とみ代(月出里)産声かひと声響く夜の蝉堀内さわ子(境島)見上げれば空に一面鰯雲野口梅子(神宮寺)一匹のザリガニ楽し隣の子根本静江(阿波)文月や句集に我も加われり高柳ゆき子(古渡)百合活けて当てなき客を待ついとま松田和美(下馬渡)記念誌のインクの匂い秋涼し埜口信子(阿波)訪れし十三塚の菊の供華飯嶋伊津子(阿波)八千石稲穂波打ち黄金色高須湖城(浮島)また一人訃報の欄に旧友の名が載りし朝のコーヒー苦し雨宮美世志(高田)礎に刻まれし名撫で祈る人戦後七十年悲しみ消えぬ財部睦美(光葉)稜線は薄紫に筑波の尾根夕日を沈め茜広ごる坂本緑(鳩崎)新にい盆ぼんの見舞もすみてほっとする亡つ夫まも今年は送り盆なる松本静子(西町)秋立てど暑さが止まらず熱風がモワッと肌にまとわりついて山本彰治(高田)次次と頭上を通る飛行機の音聞かば見上ぐ調布の事故より山口須美子(上君山)盆の日に久しぶりなる雨降れば屋敷の樹木の葉輝き見るも篠田すい(下太田)どんよりといつまで続くこの天気心身共にお日様恋し椎木道代(柴崎)人棲まぬ隣家の咲ける夾竹桃垣に語りし項を偲ばす宮渕敏江(下太田)止み降りの涼しき日々に蒔いた種子出揃えし双葉畝にあざやか川村とみ(堀川)二人して秋の収穫できるとは流れる汗も額に楽し岡野千恵子(伊佐津)草原の明けに清すがしき余光あり咲き誇る百合の白き一群吉田テル(伊佐津)戦場に発たつ日ま近き兄上と夕やみの橋に別れ来にけり板橋道子(福田)一枚の葉書に召されて戦死せし兄の面かげ老ゆることなし柴崎文子(町田)子供らの声聞こゆるも朝々に登校団の列の短し根本邦子(押砂)雷鳴の遠くに去りて中空にまさやかに澄む片割れの月諸岡静江(伊佐部)七十年経たる今また戦前に似るごと自衛本能あおらる坂本弥太郎(幸田)昼寝する我の動きにぎしぎしと夫の残せる藤とう椅子の鳴る諸岡ふじ枝(結佐)野暮天も妬心もみつともないとして自尊心あり老いて変わらず小泉實(福田)開拓の跡地を夫と歩みつつ苦労話を胸熱く聞く根本冨貴子(田宿)けんかにはならない距離を保ちつつ平平凡凡五十年過ぎる矢崎健一(古渡)宥なだめたり賺すかしたりして朝を急く登園の孫送り出すまで吉田多嘉子(伊佐部)