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概要

大好きいばらき vol.54

地域活動団体の活動紹介大好きいばらき県民会議は,1年365日誰かの手で,どこかで行われている福祉や環境,青少年,防犯など様々な分野での地域活動,市民活動を,県民,団体,企業,行政が手をつないで支えあい,「やさしさとふれあいのある茨城づくり」を進めています。今回は,茨城県内で行われている,先進的な2つの取り組みを取材しました。《結プロジェクト》若者の思いと地域を繋げる街づくり結城市で様々な活動を展開している結プロジェクトの実行委員である飯野勝智さんと,野口純一さんにお話を伺いました。この団体は,相互扶助の考えである「結い」の精神をもとに,神社の収穫祭に合わせて,同時多発的に様々なイベントを開催する「結い市」をはじめ,市内にある建物を会場に音楽イベントを行う「結のおと」,創業支援として結城市内で商売を営む方を講師に市内で起業するための方法を学ぶセミナー「城プロジェクト」など,結城市内の様々な資源を活用し,結城市の活性化に取り組んでいます。飯野さんたちの活動の出発点は,常にメンバーの「やりたい!」思いからはじまると言います。その「やりたい!」思いと街を繋げていくこと,また,事業やその成果物について,同年代の若者に受け入れられるかを考えながら活動を行っているそうです。結城市の建物やそこに暮らす人の営みなどの地域資源を最大限に活用し,メンバーの思いや若者の視点を混ぜながら,一過性のイベントではなく街の中に変化が生まれていく継続的な活動が行われていました。《水戸芸術館》多様性を受け入れ,人がつながる水戸にある美術と演劇,音楽の3つの分野の複合文化施設,水戸芸術館において,現代美術センター教育プログラムコーディネーターの森山純子さんにお話しを伺いました。水戸芸術館では,「視覚に障害がある人との鑑賞ツアー」や,高校生を展覧会に招待し,無料カフェやワークショップを行う「高校生ウィーク」,「赤ちゃんと一緒に美術館散歩」,をはじめ,シニア向けの企画や学校への出張授業など様々な年齢や立場の方を対象に教育プログラムを実施しています。こうした多様な層に対してプログラムを用意しているのは,障害などその人の置かれている生活状況に左右されず美術館を利用できるよう,一人ひとりと向き合う姿勢を全てのプログラムの基本としているからです。森山さんは「作品鑑賞やワークショップを通じて多様な価値観に触れ,互いに歩み寄り,共感できる場所を参加者に提供したい。美術館が新たな自分に出会う場所になれば」と話します。25年目を迎えた今の水戸芸術館では,小学生や高校生の際にプログラムに参加していた人たちが大人になり,現在はボランティアをはじめ様々な形で活動の担い手となっているそうです。一人ひとりの個性に常に向き合い,活動に参加する中で,多様性を受け入れていく仕組みが水戸芸術館の中に居場所を作り,人と人とを繋いでいます。10