ブックタイトル広報 稲敷 2015年9月号 No.126

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概要

広報 稲敷 2015年9月号 No.126

arts and literature稲敷文芸俳句短歌23広報稲敷平成27年9月号名刹のほとりに住みて青あおばずく葉木莵小林寿恵王(田宿)尼寺の道ほそけり濃紫陽花宮本公夫(月出里)万緑や道は七折り峠越え増田みきお(羽賀)雷雲の鋼はがねのごとく立ち上る篠田邑草(新山)古事よりの産うぶ土すな薙なぎや草いきれ酒井涼花(小羽賀)梅雨の蝶杖の歩みのあと先に矢口由里子(西町)太陽を一呑にして梅雨あれる代静(犬塚)梅雨闇の仁王の睨み千社札石井忠(橋向)梅雨茸や今日もまた雨降りしきる幸田不死男(荒宿)伸び伸びと手足伸ばして夏座敷宮本芳子(切通)青鷺の横切る水郷穀倉地岡村敏子(新山)ハンカチをにぎりしめけり歯科の椅子福本きみえ(新山)梅雨雲の消へたる空の大きさよ細川悦子(荒宿)行々子江戸崎八景浜の河岸山田とみ代(月出里)留守番の長き一日や夕端居小貫和子(浮島)白蓮の雨に洗はる白さかな富元禮子(古渡)野辺送り二つ重なる酷暑かな山崎幸子(浮島)一本の山百合手にし笑顔の子坂本きよ子(下馬渡)太りたる西瓜カラスに食われ悔し根本ナカ(神宮寺)白蓮の花の高さを競ひをり大久保晴代(古渡)橋脚を軽く叩きて梅雨流れ矢崎健一(古渡)ふるさとの茗荷畑をかき分ける鴻野のぶ尾(堀之内)雨あま脚あしがはげしくなりて山鳩の啼く声途絶え夜が更けてゆく雨宮美世志(高田)雛の待つ巣へと餌運ぶつばくらのつばさ重かろ雨強き中財部睦美(光葉)車椅子バスより降ろし軽軽と嫗おうな負ひゆく乙女の笑顔坂本緑(鳩崎)梅雨晴れてリハビリセンターゴーエンに友よ元気に頑張りましょう松本静子(西町)ベランダで育てる朝顔咲きはじめ青空の下ピンクに赤に山本彰治(高田)ペリリュー島陛下の訪問待ちしかに語り部たりし生還兵果つ山口須美子(上君山)七十年はるかに思う征く兄の親を大事にと言の葉忘れず篠田すい(下太田)久方のめぐみの雨の到来に人も草木もすべてうるおう椎木道代(柴崎)父を見て「兵隊さん」と言っていた三歳夏の記憶に淀む宮渕敏江(下太田)軍事郵便これのみ兄の形見なり文字なぞりつつ今にくやしき川村とみ(堀川)還かえらざる吾あ子こと知りつつ待ちわびて逝きにし母の心愛かなしも吉田テル(伊佐津)一滴の大河をめざす志こころざし戦争ノーとうねりも高く岡野千恵子(伊佐津)ホームに移り姉の留守なる家の軒今年もつばめが訪ねて来たり板橋道子(福田)田の蛙戸板に豆を転がせば巨人のいびきか牛蛙啼く柴崎文子(町田)窓越しに新緑まぶしき日もすがら古文書解読先を急がず坂本弥太郎(幸田)利根の土手吹くそよ風にねこじゃらしおいでおいでと我を呼んでる諸岡ふじ枝(結佐)交ごもにうたかたの如くうかびきて米寿の夕べ来し方思う諸岡静江(伊佐部)紫紺なる筑波の峰にふんわりと雲とどまりぬ梅雨晴れの朝根本邦子(押砂)敗戦を終戦と称してごまかすや十五歳なりし夏の思い出小泉實(福田)心うつ和歌生れ来よと希いつつ回る紫陽花の園の華やぎ根本冨貴子(田宿)ただ虚し突如奪わるる師が命ここ三か月短う歌たの作れず吉田多嘉子(伊佐部)