ブックタイトル広報いたこ 2015年8月号 Vol.173
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広報いたこ 2015年8月号 Vol.173
14広報いたこ20158月号Vol.173今回は潮来の魚の話です。私の専門は「魚類学」で、日々、学生たちと魚類の生態・生活史を調べることを生業としています。さて、専門的にみると、霞ヶ浦・北浦を含む利根川下流域一帯は、東日本で最も淡水魚の種多様性が高い水域です。潮来市内の湖や河川、水路では、1970年代以降、水質の悪化や水辺植物帯の消失、外来魚の侵入などによって、在来魚がかなり減りました。それでも、いまだに30種ほどの在来淡水魚が確認され、細々とですが多様な魚類相が維持されています。例えば、全国的な絶滅危惧種のメダカやキンブナは、市内ではありふれた魚のままです。クルメサヨリ(写真の上は成魚、下は稚魚)も全国的には希少な種ですが、霞ヶ浦・北浦では割とよくみられます。地方名は「ヨド」です。汽水・淡水性のサヨリ科魚類で、寿司ネタになる海産のサヨリとは別の種類ですが、味は似ています。漁師さんいわく「すり身のみそ汁は絶品、煮干しも美味い」。確かにクセになる旨みが…、酒のツマミにもなります。ただ、残念ながら、ヨドは幻の食材になりつつあります。1960年代半ばまで、県内の漁獲量は年間100トン以上でしたが、その後は減少傾向にあり、今ではまとまった漁獲はありません。なぜ、一時より減ってしまったのか?ひとつは、常陸川水門や河口堰の設置による回遊阻害が原因です。さらに、大学院生U君の調査では、ヨドが水辺の植物の茎や根などに産卵し、仔稚魚は植物帯付近の淀(よど)みで成育することがわかっていますので、産卵・成育場となる植物帯が減ってしまったことも関わっています。ちなみに、地方名ヨドの由来には諸説ありますが、「淀みにいるから」との説は、的を射たものといえそうです。茨城大学広域水圏環境科学教育研究センター加納光樹自然水郷の魚たち―クルメサヨリ(ヨド)潮来市の誇れる自然第3回まちづくり・潮来の自然と歴史を知るまちづくり・潮来の自然と歴史を知るクルメサヨリの成魚(体長98mm、写真上)と稚魚(体長15mm、写真下)文化大生神社は、建たけみかづちのかみ御雷之男神を祭さい神じんとする御社です。拝殿については建築年代は江戸時代と伝えられている入母屋破風造り。向ごは拝い付きである。大きさは、桁間三間、梁間二間からなり、板の間となっている。ここでは、神社の祭礼、巫女舞神事が行われており座神楽殿ともいわれている。屋根は以前は茅葺きであったが、近年銅板ぶきになった。現在は、市指定文化財である。潮来市文化財保護審議委員草野登美雄大生神社の拝殿潮来市の誇れる文化第97回