ブックタイトル広報とうかい 2015年8月10日号 No.846

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概要

広報とうかい 2015年8月10日号 No.846

こんにちは!村立東海病院です食物アレルギーは日ごろからの対策が大切です!東京都調布市で、「牛乳アレルギーの小学生が学校給食で誤食し、アナフィラキシーショックで死亡した」との報道は、大きな反響を巻き起こしました。「食物アレルギー」とは、食物に対する免疫反応で体に好ましくない症状が起きてしまう現象です。日本での食物アレルギーは乳児で5~10%、幼児で約5%、学童期以降で1.5~3%あるとされ、まれな病気ではありません。●どのような症状なの?食物アレルギーの症状は多彩です。重症な全身症状としては、原因となる食物を食べて数分【主な食物アレルギーの症状】~数時間以内に、2つ以上の臓器の症状(全身の▼皮膚…じんま疹や湿疹じんま疹とゼーゼーする呼吸器症状など)が急速▼粘膜…目の充血、鼻汁、くしゃみ、唇が腫れる▼呼吸器…咳、ゼーゼーする、声がれ、呼吸困難おうとに同時に現れるアナフィラキシーと、さらに血▼消化器…悪心、嘔吐、腹痛、下痢、血便圧が低下し、意識障がいが現れるアナフィラキ▼神経…活気がなくなる、意識障害、失禁シーショックがあり、いずれも死に至る可能性▼循環器…血圧低下、ショックなどがあり迅速な対応が必要です。●どんな食物がアレルギーになりやすいの?さまざまな食物でアレルギーになる可能性があります。乳児期には鶏卵、牛乳、小麦などが多く、学童になるとエビなどの甲殻類、ソバ、果物類、魚類やピーナッツ、木の実なども原因となることがあります。非常に過敏な患者さんでは、食器に洗い残した微量の食物でもアナフィラキシーショックを起こしてしまいます。●どのようにして診断するの?診断は、病歴とアレルギー検査、必要であれば疑われる食物で誘発試験を行って総合的に判断し、診断を確定します。誘発試験はまれにアナフィラキシーを誘発することがあるため、必ず医師の管理下で実施します。●治療方法はあるの?治療の基本は除去食療法で、原因の食物を一定期間除去すると食べられるようになることが多く、90%以上は小学校入学までに食べられるようになります。除去食療法についても、医師の管理下で行い、食べられるようになっているか否かを数か月~半年毎に定期的にチェックしてもらいます。最近、少量ずつ食べて治す治療法なども試みられていますが、重篤な症状が出るリスクを高め、食べられるようになる時期が遅れる可能性も指摘されており、いまだ実験段階で、一般で実施することは勧められていません。●誤食や誤飲が疑われて、じんま疹が出た場合は?誤食や誤飲が疑われてじんま疹が出た場合は、抗ヒスタミン薬やス食物アレルギーに対応するには、日ごテロイド薬を内服し、慎重に経過を見ます。短時間で、複数の臓器にろから関係者が緊密に連絡を取り合症状がでるアナフィラキシーやアナフィラキシーショックが疑われるい、理解を深めておくことが大切です。場合は、生命の危険もあり、直ちに携帯用注射液(エピペンR)を注射して病院へ救急搬送する必要があります。アナフィラキシーを起こしたことがあり、ぜん息を合併している場合、より積極的に治療を進める必要があるため、呼吸器症状に対しては気管支拡張剤の吸入も併用します。村立東海病院小児科松井猛彦【問い合わせ】村立東海病院(?282-2188)、福祉保険課地域医療担当(?287-0899)●9広報とうかい2015年8月10日号