ブックタイトル広報 稲敷 2015年7月号 No.124
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広報 稲敷 2015年7月号 No.124
arts and literature稲敷文芸俳句短歌27広報稲敷平成27年7月号ばあば抱き別れ惜しむ子こどもの日小林寿恵王(田宿)雉の子の藪やぶをぞろぞろ出いで来たり篠田邑草(新山)送り出て蛙の声のど真ん中増田みきお(羽賀)囀や擦れ違ひ待つ無人駅宮本公夫(月出里)葭切や師の愛したる川の町山口須美子(上君山)白牡丹緋牡丹咲きし隣家かな酒井涼花(小羽賀)剪定の樹形涼しくなりにけり代静(犬塚)葉のそよぎ湧きだすごとく若葉風宮本芳子(切通)白地着て老後の理性保ちけり酒井重雄(小羽賀)廃校の発電パネル木の芽時青木啓泰(本宿)筍や今年も届く糠添えて幸田不死男(荒宿)良く吠える近所の小犬若葉風岡村敏子(新山)甘味添へ名ある新茶を頂きぬ根本京子(高田)ぼうけんと云う人生やホトトギス山田とみ代(月出里)刈り過ぎし垣の若芽に安堵する松田和美(下馬渡)若葉風少女に戻る瞬間のあり富元禮子(古渡)窓閉めて蛙の声を押し戻す山崎幸子(浮島)ふくよかに花房重し手毬花坂本きよ子(下馬渡)玄関に露草濡れしままを活け根本ナカ(神宮寺)ぶっきらぼうなるも一途や蝦が蟇まの恋大久保晴代(古渡)麦の値はどうあろうとも揚雲雀矢崎健一(古渡)ここもまた人住まぬ家蝸かたつむり牛鴻野のぶ尾(堀之内)なによりも短歌を愛し数万の名句残して師は旅立ちぬ雨宮美世志(高田)なんとか次のオリンピック迄と笑えまいたる師の面影が目まな裏うらに顕つ坂本緑(鳩崎)賑やかに過ごして子等はそれぞれに帰りてあとの余韻の残る財部睦美(光葉)新聞の紙面に増えゆくカタカナ語目にする度に老い安からず根本冨貴子(田宿)突然の春過ぎて別れはつらき歌の師よ共に学びし友よがんばろう松本静子(西町)田植え終え静まりかえる青田には白鷺・青鷺・軽鴨遊ぶ山口須美子(上君山)五月晴れ苗からひと月田に揺れて深まる緑が梅雨入りを待つ山本彰治(高田)小雨降る軒下に川辺を見て居れば翻り行く二羽のつばくら矢崎健一(古渡)家めぐる椎の若葉の明るくて花の香りはつよく漂う篠田すい(下太田)こんなにも百人一首おもしろく今にして知るそのすばらしさ椎木道代(柴崎)飛蚊症の水玉浮かぶ青空に雲雀は声を限りにぞ鳴く宮渕敏江(下太田)何がある平和のほかに後の世の子らに手渡す大切なもの岡野千恵子(伊佐津)ひさびさに姉とつれだち産土の慰霊碑に戦死の兄の名さがす川村とみ(堀川)いつの日かまた着ることもあろうかと紫のドレス身につけてみる吉田テル(伊佐津)さわさわと緑風わたるこの朝齢重ねて米寿を祝う諸岡静江(伊佐部)あと少し一緒に生きてほしかった「今夜も星がほらきれいだよ」根本邦子(押砂)敗戦後母の野良着はつぎだらけ二度と聞きたくないあの「わが軍」を諸岡ふじ枝(結佐)散歩道四ツ葉のクローバー見つけたり乙女のごとく心躍らせて柴崎文子(町田)学ぶにも遊ぶにもよき盟友とめぐり会いたり老境行きつつ坂本弥太郎(幸田)入隊に刈りし髪の毛ひとにぎり母に手渡し兄は征きにけり板橋道子(福田)