ブックタイトル茨城県近代美術館/美術館だより No.101

ページ
3/8

このページは 茨城県近代美術館/美術館だより No.101 の電子ブックに掲載されている3ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

茨城県近代美術館/美術館だより No.101

茨城県近代美術館展覧会紹介丸沼芸術の森所蔵ベン・シャーン展会期:4月25日(土)~7月5日(日)休館日:月曜日ただし5月4日(月)は開館、5月7日(木)は休館開館時間:午前9時30分~午後5時(入場は午後4時30分まで)入場料:一般1,080(980)円/高大生850(720)円/小中生480(360)円※()内は20名以上の団体料金※満70歳以上の方及び障害者手帳等をご持参の方は無料※土曜日は高校生以下無料主催:茨城県近代美術館/丸沼芸術の森後援:水戸市/朝日新聞水戸総局/茨城新聞社/株式会社茨城放送/NHK水戸放送局/産経新聞社水戸支局/東京新聞水戸支局/日本経済新聞水戸支局/毎日新聞水戸支局/読売新聞水戸支局展覧会の概要20世紀アメリカを代表する画家ベン・シャーン(1898-1969)の個展です。リトアニアのユダヤ人家庭に生まれ、アメリカに移住したベン・シャーンは、一貫して人種差別や迫害、貧困などのテーマに取り組み、震える線と力強い構成力による絵画や壁画、グラフィックデザインを数多く残しました。埼玉県朝霞市にある丸沼芸術の森は、ドローイングを中心に、版画、水彩画、ポスター、壁画の下絵、写真など、国内でも有数のベン・シャーンのコレクションを誇ります。第五福竜丸事件に取材した「ラッキードラゴン」シリーズや、ドイツ語圏の詩人リルケの『マルテの手記』に基づく版画集などの代表作を含む、初期から晩年までを網羅した約300点の丸沼コレクションを一堂に展示し、ベン・シャーンの尽きない魅力をご紹介します。見どころベン・シャーンの絵は、社会や人間に対する画家のメッセージを発信しています。現実に起きた冤罪事件や労働問題を扱い、世間に不正を訴える作品。あらゆる階層の人々の選挙権や雇用機会、平和や平等をテーマとしたポスター群。詩人や小説家の文学に寄せて、深いヒューマニズムと詩情をこめて描き出した絵画。それぞれの作品から、画家の思想と感情、そしてメッセージを感じていただけるでしょう。とくに、その線描は魅力的です。おもに第二次世界大戦後、雑誌や本の挿絵として発表されたドローイングや、レーニンやガンディーらの肖像を描いた素描の、かすれて震えるようでいながら力強い線画は、観る者の心に強く迫ってきます。また、しばしば絵とともに描かれる装飾的な文字にも、少年の頃から石版画工房で働き文字を愛した画家のセンスと情熱が光ります。ベン・シャーンの息子で彫刻家のジョナサン・シャーン氏による特別出品作「父の肖像」(1966年頃)は、本邦初公開です。ベッドに横たわり新聞を読む作家の像からは、社会に目を向け続けたベン・シャーンの人となりが伝わってくるようです。世界中で、民族や宗教の対立、格差や貧困といった社会問題が顕在化する今だからこそ、鋭い知性とあたたかな愛情で人と社会をみつめ続けた画家の仕事にじっくりと向かい合っていただければ幸いです。[近代美術館学芸員永松左知]「我々は平和を望んでいる」1946年ポスター(オフセット)版画集『一行の詩のためには…:リルケ「マルテの手記」より』「愛にみちた多くの夜の回想」1968年リトグラフ、紙すべてベン・シャーン作、丸沼芸術の森所蔵cEstate of Ben Shahn / VAGA, New York & JASPAR, Tokyo, 2015 E1476「ほんとうに偉大な人たちをわたしは忘れない」1965年水彩・セリグラフ、紙3