ブックタイトル広報つちうら 2015年6月上旬号 No.1148

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広報つちうら 2015年6月上旬号 No.1148

15広報つちうら2015.6.2124新収蔵庫の完成―資料を守り、伝える▲写真1鉄骨工事の様子15広報つちうら2015.6.2▲写真3収蔵庫二層目▲写真2収蔵庫一層目問「未来への伝承」は平成14年4月に連載をスタートしました。博物館と上高津貝塚ふるさと歴史の広場の学芸員が、各館に収蔵している資料や、発掘調査された遺跡などの過去の遺産を中心に、読者の皆さんに解説しています。連載中の13年の間にも、それぞれの館で収集する資料は増加し、資料を守るべきハコである「収蔵庫」は狭くなっていきました。限られた建物内の空間に、増え続ける郷土の宝をいかに保存していくか、工夫をこらしてきましたが、昨年度、館内の一部を改装し、新しい収蔵庫を整備することができました。今回は博物館の新収蔵庫についてご紹介します。写真1は、鉄骨工事の様子です。博物館には昭和63(1988)年の建築の際に、収蔵庫へ改装可能な駐車場兼倉庫スペースがありました。そのため、今回はこの空間を有効に活用すべく、鉄骨を組み二層にしたのです。写真2は一層目の完成状況です。民俗資料など、重量のある大型の資料にも対応できるよう、二にじゅうゆか重床としています。写真3は二層目です。主に小型の歴史資料の収蔵スペースです。内装には耐火性能に優れた素材を使用し、さらに温湿度管理が必要な資料に対応できるよう、最新の調湿性能を持つ専門工法を用い、木製棚も設置しました。さて、そもそもなぜ収蔵庫が必要なのでしょうか。資料は材質によって最適な環境におかれることで、長く安全に保管することができます。特に大きな影響を及ぼすのが湿度です。湿度が高いとカビや虫食い・錆さびが、湿度が低いとひび割れやはがれが生じます。そのため、特に環境の影響を受けやすい資料については、温湿度を一定に保つよう工夫が必要となり、近年は機械による空調管理を行なっています。今回の工事では、二層目の収蔵庫は24時間温湿度管理ができるものとし、相対湿度55%前後(紙に適した数値)になるよう調整して、特に繊細な資料を収蔵していく予定です。収蔵庫に収めれば万全か、というと必ずしもそうではありません。人の手と目をかけることが必要です。資料は収納する前に、ほこりやごみを丁寧に取り除き、二酸化炭素燻くんじょう蒸で殺虫処理をします。庫内をこまめに清掃し、カビや虫の発生の温床にならないようにし、目視でも環境を確認します。限られたスペースではありますが、個々の資料の状況を勘案しながら、適切な形で次世代へ伝えてゆけるよう、これからも努めてまいります。博物館では、8月下旬まで新収蔵庫の建材の一部などをご紹介します。市立博物館(?824・2928)