ブックタイトル広報かさま 2015年4月号 vol.109

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概要

広報かさま 2015年4月号 vol.109

平成20年度からメタボリックシンドロームを対象とした特定健診・特定保健指導が開始されました。メタボリックシンドロームは、食事、運動、睡眠、嗜好(タバコ、アルコール)などの生活習慣に起因します。内臓脂肪蓄積から、糖尿病や動脈硬化(脳卒中・心筋梗塞など)が引き起こされます。医者の不養生とはよく言ったもので、私も片足を入れております。そこで特定保健指導によく用いられる行動変容アプローチについて、その活用法を考え直してみることとしました。行動変容では、重要度と自信度を上げることが必要です。このままではまずいという「脅威」、変われば望ましい姿になるという「有効性」を認識させることで重要度は上がります。行動を阻害する「妨げ」がなく、行動を促進する「支援」があると感じた時に、自信度が上がります。多くの生活習慣を変えられない方々は「わかっちゃいるけどやめられない」のであり、行動変容の有効性は薄々感じています。しかし目の前のわずかな快楽におぼれるあまり脅威を軽視し、妨げを強調し、支援に気づかないのです。そこで提案したいのは、行動に伴う「脅威」「有効性」「妨げ」「支援」を地図のように書き出すことです(マインドマップなどを利用)。個人レベル・家族レベル・社会(職場・ご近所)レベルに分けることで整理しやすくなり、足りない項目を埋めようとすると新たな発見も生まれます。口うるさく非難され妨げと感じていたことも、真意は支援であると再認識するかもしれません。寝る前や夕食前の空腹感も脂肪を燃焼する合図と認識すれば、妨げではなく支援に変わります。筋肉痛も道標の一つです。新たな支援などなくても俯瞰してみることができれば、行動変容への道は険しくないのでしょう。頭の地図を整理して、私も行動変容への旅に出かけたいと思います。生活習慣を改善したくなる秘策―重要度・自信度を上げる行動変容の「地図」―笠間市立病院石いしつか塚恒つね夫お笠間の歴史探訪23岩間駅から西北へ約一キロメートル下郷大網地区に、別雷神社があります。社殿は小さく、平成二十四年に改築した木造入母屋造りです。祭神は別わけいかずちのみこと雷命といって、大おおやまくひのみこと山咋命と玉たまよりひめのみこと依姫命との間に誕生した神です。伊いざなぎ邪那岐、伊いざなみ邪那美の神の曾孫にあたります。本社は、通称上かみかも賀茂神社と呼ばれる京都の賀茂別雷神社です。京都の三大祭りのひとつ、葵祭は別雷の渡御の祭りです。大網の別雷神社は、江戸時代の中頃に五穀豊穣・子孫繁栄・家内安全を願って、農耕神である京都上賀茂神社の祭神を勧請したと伝えられています。この社殿の脇に句碑があります。地元大網出身の小松崎爽そうせい青の句碑で、丸みをおびた石です。雀にも訛がありて暖かしと刻してあり、心温まる句です。爽青(本名・武男)は、大正四年(一九一五)旧岩間町下郷大網に生まれ、昭和七年(一九三二)東京成城中学校を卒業、大竹孤悠主宰の結社「かびれ」に入会しました。日立製作所に就職し、勤務の傍ら句誌「かびれ」の編集に携わりましたが、戦時期には召集されて陸軍に入隊、終戦後は同社に復職し「かびれ」を復刊しました。後に句誌「かびれ」の主宰を継承し、多くの門人を育てました。ところで、「かびれ」とはあまり聞き慣れない言葉ですが、日立市の御おい岩わ神社境内に賀かびれ毘禮神宮があります。今からおよそ千三百年前に編まれた『常陸国風土記』では、「久慈の郡こおり、薩さ都との里」の記事に、「初め神は里にいたが、神の祟たたりが非常に厳しいものだった為に、人々の願いで神が清く高い山『賀毘禮の高峰』に移り住んだ」と記されています。この「高峰」が御岩山とされ、麓には御岩神社があり、頂上付近に「賀毘禮神宮」の額を掲げた社があります。句誌の名「かびれ」は、この賀毘禮からとったものと思われます。御岩神社の境内にも小松崎爽青の句碑が一基あります。月の夜の石にかえりし道祖神と刻された句碑です。いずれの句もほのぼのとした味わいのあるもので、詠者の人柄が偲ばれます。地元の里人でなければ、訪れることもないような、小さな神社の境内にある句碑、すごい宝物を発見したような得した気分になりました。(市史研究員松まつもと本兼かねふさ房)大だいあみ綱の別わけいかずち雷神社境内の句碑別雷神社の句碑市立病院の医療コラム44平成27年広報かさま4月号(vol.109)21