ブックタイトル茨城県近代美術館/美術館だより No.100
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茨城県近代美術館/美術館だより No.100
〈寄稿〉美術館の中から・外から【当館ボランティア】「ワカラナイノススメⅡ」展(11月1日~12月14日)会期中、作品を囲んで来場者とスタッフが共に語り合うイベント「たちどまって見よう」を開催し、当館職員と共にボランティアスタッフが進行役をつとめました。ここにスタッフによる感想を一部、ご紹介します。【マルシェ・ド・ノエル実行委員会】近代美術館では、平成24年度から毎年11月に、フランスのクリスマスマーケット「マルシェ・ド・ノエル」を美術館屋外を会場に開催しています。実行委員会代表でフランス菓子店主のベニコさんに、マルシェの感想をお寄せいただきましたので、ここにご紹介します。○何にでも挑戦する覚悟で参加しました。研修時は素人の目線でも作品について会話できるということが楽しかったのですが、本番は参加者の意見を集約することが難しかったです。大変でしたが良い経験になりました。○何度も話し合いをもった研修が心強かったです。実際には意見を引き出すことの難しさを実感。担当したような抽象画(元永定正)はこれまで通り過ぎていましたが、今回を機に好きになりました。当日までドキドキしたけれども、やってみて良かったです。○とにかく面白かったです。作品を見て一人でモヤモヤ悩むことと、声に出して人と話すことではだいぶ異なると思いました。作品について学ぶと自分なりの解釈ができてしまい、方向付けたくなる衝動と葛藤しました。○イベントに参加することは楽しいですが、自分が進行役側に立つと難しかったです。どんな作品でも知識がなくても十分に楽しめると感じました。発言してもしなくても、楽しかったと思って帰宅してもらいたいです。*以上、ボランティア各氏より聞き取り(文責・吉田)マルシェ・ド・ノエル芝生広場美術館テラスマルシェ・ド・ノエルは、今年度も多くのお客様を迎えて無事終了した。3年が過ぎ、水戸の冬の風物詩として受け入れられているのではないかと感じている。私達実行委員と近代美術館の関係は、2012年の「ストラスブール美術館展」開催に伴う「焼き菓子フェア」が最初であり、このフェアに携わる中で、改めて近代美術館のロケーションのすばらしさを知った。テラスから眺める千波湖の風景は、私の修行先でもあるアルザスの雄大さを感じさせた。それから、豊かな緑の中にそびえたつ建物は、フランスならどんな小さな村にでも必ずある教会の荘厳さを纏っていた。修行時代に知ったマルシェ・ド・ノエルを開催する場所を探していた私には、ここはうってつけと思えた。そして、近寄りがたいと思っていた職員の方々と接する中で、多くの人に美術館を知ってほしいという職員の皆さんの思いにもふれることができた。私は思い切ってフェア終了後、マルシェ・ド・ノエルの企画を提案した。2ヶ月しか準備期間が残されていないという状況にも拘らず、互いに高まっていた情熱が後押しし、私達は開催に向けて走りだした。しかし、美術館が何よりも規則と公平さを基準に物事を考えることにはとまどった。このつないだ手が離れてしまうのでは、という危機も幾度かあった。たとえば音楽ひとつをとってみても、楽しければいいと考える私達と、作品鑑賞の妨げになることは困るという美術館。結果的に自然な音色でありながらクリスマスらしいアコーディオンやハンドベルへとたどり着いた。規則と公平とは正しさを押し付けることではなく、お互いを思いやることだと学んだ。開催を何度重ねても問題点はなくならない。けれども、これからも対話を重ねながら、マルシェ・ド・ノエルはさらに好ましい形で作っていけると信じている。[メゾンベニコオーナーパティシエベニコ]7