ブックタイトル茨城県近代美術館/美術館だより No.100

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概要

茨城県近代美術館/美術館だより No.100

展覧会紹介「笑う美術」茨城県近代美術館会期:2月21日[土]~4月19日[日]休館日:4月6日(月)、4月13日(月)※梅祭り期間中[2月20日(金)~3月31日(火)]は無休開館時間:午前9時30分~午後5時(入場は午後4時30分まで)入場料:一般850(720)円/高大生600(480)円/小中生360(240)円※( )内は20名以上の団体料金※満70歳以上の方及び障害者手帳等をご持参の方は無料※土曜日は高校生以下無料(春休み期間を除く)主催:茨城県近代美術館後援:水戸市/朝日新聞水戸総局/茨城新聞社/株式会社茨城放送/NHK水戸放送局/産経新聞社水戸支局/東京新聞水戸支局/日本経済新聞水戸支局/毎日新聞水戸支局/読売新聞水戸支局展覧会の概要私たちが生きていく上で欠かせない「笑い」は、極めて本能的な感情表現でありながら、美術からは一見遠いものと思われがちです。本展は、真面目に見なくてはならないもののように思われている美術を、人の営みや文化にも深く関わる「笑い」という切り口により捉え直そうとするものです。絵画や彫刻に描写された表情としての「笑い」をはじめ、視覚的な仕掛けやパロディ・見立てなどが「笑い」を生む作品、風刺や皮肉、ブラック・ユーモアを伴ったり、日常や常識に大きく風穴を開けて驚きと「笑い」をもたらすような作品など、美術に表れた多彩で複雑な「笑い」の形を紹介します。私たちはこのような「笑い」に触れることで、感覚や感情をおおいに揺さぶられ、あるいは戸惑いや違和感を覚えつつも、精神のしなやかさとともに世界の新しい見方を獲得することでしょう。見どころこの展覧会では「笑い」を軸とし、日本の近世絵画から現代美術まで、そして西洋の近現代美術も加え、?風や掛軸、レディ・メイド(既製品)を用いたオブジェや鑑賞者参加型のインスタレーションなど、時代もジャンルも異なる多様な作品をご覧いただきます。伝統的な日本美術の中には「笑い」の要素を含む作品が少なからず見られます。本展では、「近世の笑い」をプロローグとし、白隠や仙厓といった江戸時代のユニークな禅僧による禅画や、歌川国芳の人体を合成して人物の顔を構成する「寄せ絵」といったユーモラスな作品により、皆様を「笑い」の世界に誘います。現代美術と「笑い」との関係を見るのも、本展の見所の一つといえます。山口晃、フジイフランソワ、靉嘔といった作家の、「引用」や「見立て」による作品から滲み出るユーモアに触れて、クスリと笑っていただければと思います。福田美蘭は、本展のコンセプトにあわせて新作を制作、日本の伝統美術にちなむ《龍虎図》《恵比寿図》《大津絵-雷公》の3点を初公開いたします。木村太陽による鑑賞者参加型作品は、私たちを辛口でブラックな笑いに引きこみます。また、現代美術の祖マルセル・デュシャンやマン・レイによる既製品を用いた、日常的な役割や文脈を逸脱して奇抜でユーモラスな表情を見せるレディ・メイドの作品や、ハンス(ジャン)・アルプのシンプルなモティーフによる愛嬌のある版画作品など、20世紀前半の前衛的な芸術運動に身を置いた作家による、ウィットや遊び心、そして皮肉の効いた作品も紹介します。[近代美術館主任学芸員澤渡麻里]歌川国芳「みかけはこはゐがとんだいゝ人だ」江戸時代錦絵・大判町田市立博物館蔵※半期展示(2月21日~3月20日)森村泰昌「だぶらかしE」1987-90年カラー写真・アルミ板京都国立近代美術館蔵撮影:四方邦熈福田美蘭「大津絵-雷公」2014年アクリル絵具・画布作家蔵木村太陽「Small Death」2014年引き出し・スティールボール・木材作家蔵2