ブックタイトル広報 稲敷 2015年3月号 No.120

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概要

広報 稲敷 2015年3月号 No.120

arts and literature稲敷文芸俳句短歌31広報稲敷平成27年3月号寒の風真っ青な空育てあげ小林寿恵王(田宿)他ひ人との子と思えど春著よく似合い増田みきお(羽賀)つごもりや星満天に闇照らし篠田邑草(新山)巡回のバス停にある寒波かな宮本公夫(月出里)お茶室に焚く香の満ちて初手前矢口由里子(西町)保存水寒九の水に汲み替えぬ石井忠(橋向)佳きことと出会ふ予感や新暦代静(犬塚)去りしこと追はずと決めて寝正月酒井重雄(小羽賀)神棚にのけ反り飾る注連飾宮本芳子(切通)身長も孫に迫られ初暦岡村敏子(新山)畑の菜を摘みて七草ならずとも福本きみえ(新山)ひしくいの田んぼで見ている初日の出青木啓泰(本宿)初場所の若手力士に期待せり根本京子(高田)とゞくかと人日の月紅くあり山田とみ代(月出里)道の駅出いづれば繁く寒の雨細川悦子(荒宿)味噌樽の熟成匂う去年今年野口梅子(神宮寺)煤色に都会に伸びて冬欅山崎幸子(浮島)咲き誇る気配は見せず冬のバラ松田和美(下馬渡)初詣今年は近場の社まで堀内さわ子(境島)去年今年拙句なれどもこつこつと富元禮子(古渡)隅田川冬の灯ゆらしをり大久保晴代(古渡)自分史にNHKの冬欅矢崎健一(古渡)追儺注連少くなくりし街ひそと鴻野のぶ尾(堀之内)木枯しに押されて帰る老い猫はもみじの枯葉しっぽにつけて雨宮美世志(高田)初詣の人多き中手を合わす今年も無事であること祈る財部睦美(光葉)倖も憂もともに新たまの年を迎えて過去となりゆく坂本緑(鳩崎)曽孫らの電話の終わりバイバイが胸温かく耳に残る夜根本冨貴子(田宿)さながらに会える気がして弾みつき百余の賀状また繰り見るも根本正直(門前)雨上がりの土手に伸びたつ蕗の薹あさ黄みどりに開きそめたり野沢とよ(羽賀)本年は健康大事と思いつつ歩行訓練ままならずにも松本静子(西町)お二人の初詣詠みし年賀状恙無しやと句を読み返す山口須美子(上君山)一年の喜怒哀楽は生きること時の流れが我をみがかん山本彰治(高田)台風も逸れて作柄良の田に立ちて稲作の赤字が怖い矢崎健一(古渡)仏壇に花を供えて香をたく八十二歳のわがバースデー篠田すい(下太田)あたらしき年を迎えて目標をあれやこれやと模索する日々椎木道代(柴崎)空に映ゆる夫めおと婦筑波を共に見て農生なりわい業に五十年経つ宮渕敏江(下太田)ろう梅のほのかな香り胸に入れ北吹く圃場へと踏み出いだしたり川村とみ(堀川)巡り行く小江戸の街は雪なれど我ら導く声の明るき岡野千惠子(伊佐津)空の碧あお春の若草風にゆれ時が静かに流れ続ける吉田テル(伊佐津)喜びも悲しみさへもいつの間にうすらぎにつつ卒寿となりぬ柴崎文子(町田)かくまでも鈍き立ち居を嘆かへば「齢のせいよ」と孫にべもなし小泉實(福田)掃除機に今年の埃りを吸ひとらせ慌ただしくも年は暮れゆく板橋道子(福田)樟脳の匂いうすれる単衣物纏いてみたり今日母の忌に根本邦子(押砂)身の老いは術なきものか鎌置きて茜の空にひとり言ごちつつ諸岡静江(伊佐部)散りし花の上にまた散る山茶花に庭の面赤くふくらみてきぬ諸岡ふじ枝(結佐)「見てますよ」思わぬ人の声ありき隔月に載る「市報」の歌を吉田多嘉子(伊佐部)血涙なき筋金入りより親切といつくしみのうちに間違う方選ぶ酒井君江(時崎)