ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)
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茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)
Ⅵ研究報告・調査報告1-13霞ヶ浦直接浄化対策検証事業1目的秋季から春季にかけて,土浦港奥部に設置した直接浄化実証施設(以下,浄化施設)による土浦港の水質改善状況を検証する。2浄化施設概要図1に浄化施設の設置場所を示す。土浦港内の湖水を汲み上げ,腐敗臭の原因であるアオコなどの植物プランクトン増加の原因の一つとなっている湖水中のリンを削減することにより,植物プランクトンの発生を抑制し,水質を改善する実証施設である。図2に水処理のしくみを示す。取水口から汲み上げられた湖水に無機凝集剤と磁性粉を添加し,マイクロフロックを形成させた後に,高分子凝集剤を添加しフロックを成長させ,その後,磁気分離装置を用いて,磁性粉を含んだフロックを分離,回収し,処理水を放流口から湖水に戻す。処理水質はリン0.03 mg/L以下,懸濁物質量(SS)5 mg/L以下を得ることを目標にしている。除去されたフロックは汚泥として処分される。湖水が浄化されるまでの時間は約2分40秒となっており,高速処理が実現されている。図1設置場所および調査地点図2処理フロ-3調査方法(1)調査期間水質調査は平成25年9月28日から3月20日までに計24回実施した。(2)調査地点図1に示した6地点(1~6)において上層(水面下0.5m)および下層(湖底上0.5m)で採水した。(3)測定項目透明度,水素濃度イオン指数(pH),電気伝導率(EC),化学的酸素要求量(COD,d-COD),懸濁物質量(SS),全リン(TP,DTP),全窒素(TN,DTN),各態窒素濃度(NH 4 -N,NO 2 -N,NO 3 -N),リン酸イオン(PO 4 -P),有機体炭素量(TOC,DOC),クロロフィル濃度(Chl.a,Chl.b,Chl.c),酸化還元電位(ORP),溶存酸素(DO),流向,流速。(4)浄化施設稼働条件第1,4クールの浄化施設稼働時の処理水量条件を10,000 m 3 /日,第2,3クールを5,000 m 3/日とした。1クールは28日間の稼働期間とした。4調査結果浄化施設を稼働することにより,土浦港奥部の浄化施設の処理水放流口近辺および取水口との中間地点である地点1,2の水質が改善される傾向が見られた。茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No9,2013 93