ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)
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茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)
Ⅵ研究報告・調査報告く7河川の排出負荷源7)の割合を見ると,畜産系と畑地などの面源系で約80%を占めていた。板橋ら9)は,河川の窒素濃度の上昇は流域からの負荷が増加したことの他に,水田の圃場整備により排水路等が整備され,特に非かんがい期において脱窒等の浄化機能が十分に作用しないまま排水されることも一因と指摘している。全りんは,0.050~0.255 mg/Lの範囲であり,霞ヶ浦に設定されているりんに係る環境基準の0.03 mg/Lをいずれの河川も超過していた。比較的高濃度と考えられる0.1 mg/Lを超過している河川は,新川,備前川,境川,山王川,花室川,清明川,園部川,一の瀬川,流川及び山田川の10河川で,霞ヶ浦水域の河川が多かった。排出負荷源7)の割合を見ると,境川は生活系,工場系,事業場系及び面源系とほぼ均等に分布していたのに対し,他の9河川は,生活系が優占し40~70%表1霞ヶ浦水域及び北浦水域並びに常陸利根川水域の河川の水質(平成15~24年度の年平均値の平均)河川名※BOD水域(mg/L)COD(mg/L)T-N(mg/L)T-P(mg/L)新川N 3.9 8.2 3.1 0.167新利根川N 3.4 8.5 1.4 0.097備前川N 3.1 6.6 2.2 0.112境川N 2.7 6.7 3.4 0.181山王川N 2.4 5.6 3.5 0.255花室川N 2.3 4.9 2.7 0.113清明川N 2.3 5.7 2.3 0.120園部川N 2.1 5.3 5.7 0.166桜川N 1.8 4.7 1.9 0.071小野川N 1.7 5.0 3.0 0.077一の瀬川N 1.7 5.5 4.1 0.103梶無川N 1.6 5.1 5.7 0.075恋瀬川N 1.5 4.4 3.2 0.077菱木川N 1.4 4.3 4.5 0.050流川K 3.6 6.5 2.5 0.199鉾田川K 2.8 5.6 10.4 0.096巴川K 1.8 4.5 6.0 0.074山田川K 1.6 5.2 5.3 0.106武田川K 1.6 4.2 6.4 0.068蔵川K 1.6 5.2 5.0 0.072雁通川K 1.6 5.1 3.6 0.082大洋川K 1.0 3.9 5.0 0.060前川H 3.4 8.6 1.0 0.087夜越川H 1.9 6.2 2.4 0.097※水域欄のNは霞ヶ浦水域,Kは北浦水域,Hは常陸利根川水域を表す。を占めていた。霞ヶ浦水域及び北浦水域並びに常陸利根川水域の河川は,BOD以外にも窒素やりんなどの水質指標においても汚濁が進行していることが明らかで,窒素が高濃度化している河川は北浦水域に,りんが高濃度化している河川は霞ヶ浦水域に多く見受けられた。3.4霞ヶ浦・北浦・常陸利根川水域の河川のBOD霞ヶ浦水域の14河川と,北浦及び常陸利根川水域の10河川のBOD年平均値の推移をそれぞれ図4と図5に示す。河川のBOD年平均値は年度毎に大きく変動し,相対標準偏差が20%以上の河川は,霞ヶ浦水域では花室川,新川,恋瀬川,山王川及び園部川の5河川,北浦水域では鉾田川,巴川,流川及び大洋川の4河川,常陸利根川水域では夜越川の1河川であった。図4霞ヶ浦水域のBOD年平均値の推移図5北浦水域及び常陸利根川水域のBOD年平均値の推移80茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No9,2013