ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)
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茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)
Ⅵ研究報告・調査報告のNO3-N濃度は下流側地点Dで相関係数は0.43,流量増加前の地点Eで相関係数は0.63が認められたが,面源側A,B,CではNO3-N濃度との相関は認められなかった。面源側A,B,CはNO3-N濃度が高く,下流側D,EはNO3-N濃度が低濃度であることから,脱窒活性は土壌直上水のNO3-N濃度が低濃度の地点の方がNO3-N濃度との依存性が高いことが考えられる。また,NO3-N濃度が高濃度である場合には,脱窒活性の変動は他の要因に左右される可能性も示唆された。土壌間隙水のNH4-N濃度は地点C,D,Eで0.83,0.78,0.72と高い相関係数が認められた。この3地点は水量が多いため,ほかの地点よりも硝化反応が活発に起こっている可能性が考えられる。地点D,Eは土壌直上水のNO3-N濃度が低濃度であり,枯渇しているため,土壌直上水のNO3-Nからの直接的な脱窒に加えて,土壌間隙水のNH4-Nから硝化→脱窒の経路にも依存していると考えられる。これは3.1に記した地点D,Eの土壌直上水のNO3-N濃度が低濃度であるのに,表2脱窒活性と各要因の相関係数(全地点)A B C D ENO3-N濃度0.07 0.09 -0.31 0.43 -0.18(直上水)NO3-N濃度-0.44 0.01 -0.39 0.11 0.32(間隙水)NH4-N濃度0.26 -0.44 0.51 -0.24 0.23(直上水)NH4-N濃度0.03 -0.46 0.83 0.78 0.72(間隙水)TOC濃度0.19 0.11 0.01 0.36 0.56(直上水)TOC濃度-0.03 -0.04 0.57 0.33 0.02(間隙水)土壌炭素0.40 0.49 -0.12 -0.14 0.77含有率土壌窒素0.47 -0.15 0.22 -0.16 -0.27含有率脱窒活性が比較的高い要因の一部であると考えられる。地点D,Eのように有機物量が豊富な地点では土壌直上水のNO3-N濃度が低濃度であっても土壌間隙水中のNH4-Nから硝化→脱窒の経路により多く脱窒できる可能性が示唆された。3.4.2炭素成分土壌間隙水のTOC濃度は地点Cで相関係数0.57が認められた。地点Cは土壌直上水のNO3-N濃度が高いため,変動は有機物量に依存すると考えられる。地点Aは土壌直上水のNO3-N濃度が高いが,地点Cよりも土壌間隙水のTOC濃度が高く,20 mg・L -1以上である。そのため十分に有機物の供給がされており,相関があまり高くならなかったと考えられる。土壌炭素含有率は地点B,Eで相関係数0.47,0.73が認められた。地点Bは砂質土であり,地点Eは流量増加後に砂質土に変化した。さらに地点Eは流量増加前では土壌炭素含有率との相関は認められなかった。このことから砂質土地点では,表3脱窒活性と条件変更前後の相関係数変化C(前)C(後)E(前)E(後)NO3-N濃度(直上水)-0.60-0.210.63-0.63NO3-N濃度(間隙水)-0.41-0.58-0.01-0.77NH4-N濃度(直上水)0.150.42-0.25-0.21NH4-N濃度(間隙水)-0.540.950.72-0.82TOC濃度(直上水)0.76-0.09-0.410.27TOC濃度(間隙水)0.780.64-0.500.56土壌炭素含有率-0.73-0.04-0.160.96土壌窒素含有率-0.730.29-0.23-0.0876茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No9,2013