ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)

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概要

茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)

脱窒活性(mgN/(m 2・d))脱窒活性(mgN/(m 2・d)Ⅵ研究報告・調査報告Table 1ウェットランド内外における水質及び底質9月水質底質St. 1St. 2水深m3.03.7NO 3 -Nmg/L0.70.6粘土%1222粒度シルト%5577砂%331T-Cmg/g-dry5361脱窒活性mgN/(m 2・d)3612563503002502001501005011月水質底質St. 1St. 2水深m3.14.2NO 3 -Nmg/L3.73.3粘土%1417粒度シルト%383砂%830T-Cmg/g-dry2666脱窒活性mgN/(m 2・d)9030700 0.5 1 5 10 50 100 1000n=3グルコース濃度(mgC/L)Fig. 2グルコース濃度の変化に応じた脱窒活性の変動降・堆積していたが,10月の大雨によってシルト質の底泥が流され,脱窒活性の小さい砂質の底泥だけが残ったと考えられた。9月の調査で,ウェットランド内で脱窒活性が大きかったことから,ウェットランドは懸濁物質を沈降させるだけでなく,脱窒の場としても有用であることが示唆された。しかし,9月の調査の時点で水深がウェットランドの内側が外側よりも浅いことから,懸濁物質を貯留する機能はほとんどなかったと考えられ,大雨によってウェットランド内の底泥が北浦へ押し出されたことが考えられた。このことから,ウェットランドの機能を維持するためには定期的に底泥を浚渫し,少なくともウェットランドの外よりも水深を深くする必要がある。減少するような傾向はみられなかった。3.3糖類の添加による脱窒活性の変化有機物として糖類の添加結果についてはFig. 3に示した。比較のため,有機物を添加していないBlankも併記した。その結果,D(+)-グルコサミン塩酸塩が303 mgN/(m 2 ・d)と最も大きくなった。次いで,グルコースが285 mgN/(m 2 ・d),D(+)-ガラクトサミン塩酸塩が284 mgN/(m 2 ・d)であった。もっとも小さかったのはリボースで186 mgN/(m 2 ・d)とBlankと同程度にとどまった。有機物添加後の試料のpHをみると,脱窒活性が高かったD(+)-グルコサミン塩酸塩やD(+)-ガラクトサミン塩酸塩で6以下と弱酸性を示し,その他は7前後で中性であった。3.2グルコース濃度に応じた脱窒活性の変動グルコース濃度の変化による脱窒活性の変動についてFig. 2に示した。グルコースを添加しなかった場合は192 mgN/(m 2 ・d)で,グルコースを添加することで脱窒活性は増加し,10mgC/Lを添加した場合には297 mgN/(m 2 ・d)と増加した。脱窒活性は,グルコース濃度が10 mgC/L以上では大きく増加しなかったが,1,000 mgC/Lで298mgN/(m 2 ・d)と最大になった。これまでの霞ヶ浦底泥の脱窒活性調査では水温が高すぎたり,硝酸濃度が高すぎたりした場合に脱窒活性が減少することが確認されていたが1),有機物に関しては3.4アミノ酸の添加による脱窒活性の変化有機物としてアミノ酸を添加した結果につい400350300250200150100500pH 7.5 7.4 7.4 7.4 7.6 6.9 7.2 7.1 7.7 7.2 5.8 5.7150.13 215.63分子量Fig. 3糖類の添加による脱窒活性の変化70茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No9,2013