ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)

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概要

茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)

Ⅵ研究報告・調査報告Table 1重回帰分析による偏回帰係数変数名偏回帰係数水温291風向129降水量-3DIN-542PO 4 -P-48401ここでの標準偏回帰係数とは,各変数の値の大きさが違うので,いずれの変数も平均0,分散1になるように標準化をして,偏回帰係数の重みをそれぞれ合わせたものである。この係数の大小をみると,水温の標準偏回帰係数が大きいことがわかる。このことは,平成25年度の土浦港では,アオコの発生に水温が大きく寄与したことを示唆している。Table 2栄養塩の変数を除いた偏回帰係数と標準偏回帰係数変数名偏回帰係数標準偏回帰係数水温2050.8風向500.2降水量-10-0.34まとめ本調査研究では,平成25年夏季に週1回程度の頻度で霞ヶ浦の調査をし,フィコシアニン濃度を分析してアオコの現存量の推移を観測した。調査地点の中で,一番濃度が高かった地点は,西浦は土浦港で最高1600 ?g/Lであった。北浦では,調査3地点でいずれも200 ?g/L程度で推移した。また,その濃度と気象等との関係をみると,アオコの増殖要因として,水温,風向,DINの不足等が考えられた。重回帰分析を行ったところ,それらのうち,水温が大きく寄与していることが示唆された。ただし,得られた偏回帰係数を予測式とするには,データを蓄積して,式の精度を高める必要がある。5参考文献1)国土交通省霞ヶ浦河川事務所webページ(http://www.ktr.mlit.go.jp/kasumi/kasumi_index036.html,アオコ対策作業状況)2)西条八束,三田村緒佐武(1995):新編湖沼調査法.講談社サイエンティフィク,189-191.3)小日向寿夫,中村剛也,大内孝雄,神谷航一,北村立実,花町優次(2013):フィコシアニンを指標とした霞ヶ浦のアオコの発生状況と発生要因について,茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,8,70-78.4)気象庁データ(http://www.jma.go.jp/jma/menu/report.html,気象統計情報)5)掛馬水質自動観測所水質データ(参考値).独立行政法人水資源機構より提供.6)佐々木道也(1975):アオコ(microcystis sp.)の増殖に関与する諸要因について,茨城県内水面水産試験場調査研究報告,12,17-24.7)岩佐義朗(1990):湖沼工学,山海堂,pp372-374.8) Oliver, R. and Ganf, G. G. (2000):FreshwaterBlooms, in“The ecology of cyanobacteria - TheirDiversity in Time and Space”(Ed. Whitton, B. A.and M. Potts), pp.149-194. Kluwer AcademicPublishers, New York.9)中原紘之(1993):4藍藻類.水産学シリーズ95水域の窒素:リン比と水産生物,吉田陽一(編著): 51-62.恒星社厚生閣,東京.62茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No9,2013