ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)
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茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)
降水量(mm)フィコシアニン(?g/L)水温(℃)フィコシアニン濃度(?g/L)日照時間(時間)フィコシアニン(?g/L)風速(m/s)フィコシアニン(?g/L)Ⅵ研究報告・調査報告18日照時間1800南南西北東北東南南東南北北東12フィコシアニン120062013年風速180066004フィコシアニン1200007月1日7月16日7月31日8月15日8月30日Fig. 4土浦沖におけるフィコシアニン濃度353025Fig. 5土浦沖のフィコシアニン濃度と水温明確ではないものの日照時間が長い日が続くとフィコシアニン濃度が上昇するような傾向が見て取れる。次に,土浦港におけるフィコシアニン濃度の推移と水温(掛馬沖,午前の1時間ごとの測定値を平均した)5)をFig. 5に示す。Fig. 5より,7月上旬から中旬と8月中旬に高水温が続き,その後にフィコシアニン濃度が顕著に上昇した。霞ヶ浦においてアオコの主な原因となるMicrocystis属は,高水温で増殖速度が大きくなり,34℃前後で最大との報告がある6)。平成25年度の掛馬沖では,水温が34℃以上の日はなかったため,より高水温のほうがMicrocystisの増殖に適していることから,高水温の持続が大量増殖のきっかけになった可能性がある。と日照時間(土浦)4)の関係水温フィコシアニン2006月1日7月1日8月1日8月31日(掛馬沖)5)の関係18001200600次に,風向・風速との関係について述べる。アオコは湖面に浮遊するため風の影響を受けやすく,風による吹き寄せや風浪によってアオコが拡散するなどの影響が考えられる。Fig. 6に土浦港におけるフィコシアニン濃度と土浦2600007月1日7月16日7月31日8月15日8月30日Fig. 6土浦沖のフィコシアニン濃度と風向・風速(土浦)4)の関係の風向・風速4)の関係を示す。風速については約4 m/sを超すと,アオコの群体が垂直方向に分散する7)が,平成25年度の土浦において,平均風速が4 m/sを超す日はなかった。一方,風向に関しては,フィコシアニン濃度が上昇した7月中旬の最多風向は北東であったので,7月において土浦沖への風の吹き寄せ効果は小さかったと考えられるが,フィコシアニン濃度が再び上昇した8月上旬から中旬にかけては最多風向が南南東で,風による吹き寄せで濃度上昇が引き起こされた可能性がある。また,濃度が低下した8月下旬は北北東であったため,集積したアオコが湖内の南側に流れて土浦沖の濃度が減少した可能性がある。次に,土浦港におけるフィコシアニン濃度と24時間降水量(土浦)4)の関係をFig. 7に示す。降雨は流入水量の増加等により湖水を撹拌させるので,アオコの群体を散らばせて,集積を抑制する効果があると考えられる。7月下旬にフィコシアニン濃度が低下しているが,この時301800降水量20降水量1200フィコシアニン10600007月1日7月16日7月31日8月15日8月30日Fig. 7土浦沖のフィコシアニン濃度と24時間降水量(土浦)4)の関係60茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No9,2013