ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)

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概要

茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)

フィコシアニン濃度(?g/L)フィコシアニン濃度(?g/L)フィコシアニン濃度(?g/L)フィコシアニン濃度(?g/L)フィコシアニン濃度(?g/L)フィコシアニン濃度(?g/L)Ⅵ研究報告・調査報告3結果と考察3.1平成25年度のアオコ発生状況本調査ではアオコ現存量の指標として,フィコシアニン濃度を測定した。フィコシアニンは植物プランクトンの中でも藍藻類や紅藻類に含まれている色素である。植物プランクトンの指標としては,クロロフィル濃度が一般的であるが,クロロフィル濃度は植物プランクトン総量の指標であるのに対し,フィコシアニン濃度は夏季の霞ヶ浦ではアオコの原因となる藍藻類の指標として用いることができると考えられる3)。西浦で200 ?g/L以上が継続して観測された土浦港,土浦沖,山王川沖の濃度の推移(Fig. 2(a))と北浦の安塚沖,武井沖,釜谷沖のフィコシアニン濃度の推移(Fig. 2(b))を示す。今年度フィコシアニン濃度が最も高かった地点は土浦港で約1600 ?g/L(アオコが薄い膜状に湖面を覆う程度)まで上昇した。なお,このときの植物プランクトンの組成は藍藻類が優占しており,主にMicrocystis属,Anabaena属,Pseudanabaena属であった。また,土浦港,武井沖のフィコシアニン濃度は,土浦港では昨年度のほうが高く,武井沖では今年度のほうがやや高かった。Fig. 3に,西浦・北浦それぞれで高い濃度となった土浦港及び武井沖について,平成25年度と24年度の濃度の推移を示した。土浦港では平成25年度はフィコシアニン濃度が最高約1600 ?g/Lであったに対し,24年度は約74000 ?g/Lまで観測されており,平成25年度のほうが前年度より大幅に低かった。武井沖では平成24年度は100?g/L程度で推移しており,25年度は24年度よりやや高かった。3.2気象条件とフィコシアニン濃度の推移土浦港におけるフィコシアニン濃度の推移と日照時間(土浦)4)の関係をFig. 4に示す。アオコの原因は植物プランクトンであり,光合成をするために光を必要とする。Fig. 4をみると,16001200土浦港土浦沖山王川沖(a)400300安塚沖武井沖釜谷沖(b)800200400100006月1日7月1日8月1日8月31日6月1日7月1日8月1日8月31日Fig. 2平成25年度のフィコシアニン濃度の推移((a)西浦,(b)北浦)400300600074000500040003000~(a)昨24年度今25年度40030020024昨年度25今年度(b)20010020001000昨年度今年度73000 06月1日6月16日7月1日7月16日7月31日8月15日8月30日7 8 1 8月31 10006月1日7月1日8月1日8月31日0 Fig. 3平成25年度と24年度のフィコシアニン濃度の比較((a)土浦港,(b)武井沖)6月1日7月1日8月1日8月31日茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No9,2013 59