ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)
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茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)
Ⅵ研究報告・調査報告1-4 2013年度の霞ヶ浦におけるフィコシアニン濃度の推移とアオコの発生要因との関係大内孝雄,小日向寿夫,中村剛也,神谷航一Relationship between phycocyanin concentration and factors that influence blue-green algae in Lake KasumigauraTakao OUCHI, Hisao KOBINATA, Koya NAKAMURA, Koichi KAMIYAキーワード:霞ヶ浦,アオコ,フィコシアニン,気象,水温,栄養塩1はじめに浮遊性藍藻類が増殖して湖面に集積する「アオコ」現象は,湖面を緑色に呈して景観を悪化させるだけでなく,集積により腐敗して悪臭の原因となる。霞ヶ浦では1960年代ごろから富栄養化が進行し,それに伴い「アオコ」現象が起こるようになった。その後,2000年代には大規模な発生はみられなくなったが,2011年に13年ぶりに集積したプランクトンの回収が必要となるほどの大発生となった1)。また,翌2012年も2011年ほどではないものの,回収が必要となるほどの発生量であった。アオコの発生抑制のためには栄養塩の削減が根本的な対策となるが,湖面への集積による景観の悪化や腐敗による悪臭を防止するため,回収や撹拌などの対策も取られている。そのような対策を講じる上で,アオコの発生時期・場所を予測することが必要である。当センターでは,2012年から夏季に週1回程度の頻度で水質調査を実施し,その結果を「アオコ情報」として発信している。本報告では,その調査結果をまとめて報告するとともに,それと気象条件等を照らし合わせてアオコ発生に寄与した環境要因について考察する。2調査方法調査は2013年6月4日から9月18日までに週に1回程度の頻度で実施した。調査地点は,アオコが発生しやすい場所と風による吹き寄せ元と考えられる場所を考慮し,Fig. 1のとおり西浦で5地点,北浦で3地点を選定した。採水については,アオコの原因となる藍藻類が湖面に浮遊することから,水面から20 cmまでの湖水を直径10 cmのカラムを用いて鉛直採水した。水質分析方法については,連続流れ分析法により窒素リン自動分析装置(BRAN+LUEBBE,AutoAnalyzer3)で全窒素・全リン(TN,TP)を,形態別窒素リン自動分析装置(BRAN+LUEBBE, AACS-Ⅱ)で各態窒素・リン(NO3-N,NO2-N,NH4-N,PO4-P)濃度を測定した。フィコシアニン濃度については,湖水を一定量ろ過して10 mMリン酸緩衝液(pH=7.0)で抽出し,蛍光光度計(HITACHI, F-4500)を用いて検量線法で測定した。また,クロロフィル濃度は湖水を一定量ろ過してエタノールで抽出し,吸光光度計(SHIMADZU, UV-2550)を用いてユネスコ法2)で算出した。山王川沖高浜入土浦港土浦沖湖心安塚沖北浦武井沖釜谷沖西浦Fig. 1調査地点58茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No9,2013