ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)

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概要

茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)

Ⅵ研究報告・調査報告したと考えられる。DOは著しく低下することはなかった。Chl-aは特徴的な期間が2回みられた。1回目は5月2日~5月22日の低下期間で,特に5月7日~5月16日は30μg・L -1台と本調査期間中で最も低下した。2回目は6月28日~7月10日の急上昇及び急低下期間で,6月28日~7月3日に上昇したが,その直後から低下した。3.3植物プランクトンの状況(1)細胞密度主要な3つの分類群の細胞密度の変化をFig.5に示す。藍藻類はAphanocapsa sp.が3月~6月末まで優占した。その出現数の変動は大きく5/31には著しく減少したが,6月25日には調査期間中で最大になった。珪藻類は複雑な変動を示し,3月28日~6月18日までAulacoseira sp.が出現していたが,以降は出現せず,中心目のTalassiosira sp.やCyclotella meneghinianaなどが入れ替わるように増加した。特にTalassiosira sp.は急激な増加を示した。同じく中心目のStephanodiscus sp.は4月28日~5月2日に急増したが,5月8日~5月22日まで減少した。しかし,5月31日に再び出現して,その後は細胞数を維持した。緑藻類は5月22日から5月31日にかけて群体性のPediastrum属の2種が急激な増加を示した。しかしその後,徐々に減少して6月末にはみられなくなった。(2)細胞体積の推定細胞体積の推移をFig.6に示す。細胞密度では藍藻類の占める割合が著しく大きかったが,細胞体積では珪藻類が占める割合が調査期間を通して大きかった。また,全体的には5月8日から5月22日まで著しく減少し,その後徐々に増加して,7月2日と7月24日にピークがみられる変動を示した。3.4動物プランクトンの状況(1)個体数密度動物プランクトンの個体数密度の推移をFig.7に示す。全体的な出現状況は5つの特徴的な期間に分けられた。3月28日~4月25日までの「小型種出現期」はTintinnidium sp.などの繊毛虫や輪虫類のSynchaeta sp.やPolyarthra sp.が多く出現した。4月25日~5月22日頃までの「小型種及びBosmina出現期」は繊毛虫のEpistylidaeや小型の輪虫類であるKeratella cochlearisやPolyarthra sp.,Filinia longisetaやConochilus sp.,Brachionuscalyciflorus,肉食性の大型の輪虫のAsplanchna sp.などが増加した。さらに枝角類のBosmina sp.が5月2日から増加しはじめ,5月15日には1L中に約1500個体のピークがみられた。Bosmina sp.はその後,急激に減少し,5月31日にはほとんど出現しなくなった。5月22日~6月18日までの「小型種減少及び大型種増加期」は,藻食性のD.galeataと肉食性のLeptodora kindtiiが6月5日をピークに出現した(D.galeataは1L中に30個体程度出現)。6月13日~7月9日は「全種減少期」で,D.galeataが出現したものの1L中に10個体以下の密度で,その他のほとんどの種も出現数を減らした。7月9日~7月24日は「回復期」で,これまで出現数が少なかった橈脚類のケンミジンコ(Copepodid of cyclopoida)やノープリウス幼生,枝角類のDiaphanosoma sp.,輪虫類が増加した。(2)体長の推移動物プランクトンの体長は,枝角類ではBosminasp.で0.26~0.32mm(全期間の平均体長:0.29mm,以降の括弧内も同様),Diaphanosoma sp.で0.39~0.61mm(0.54mm),Alona sp.で0.23~0.44mm(0.42mm),Moina micruraで0.51mm,Daphniasp.(幼体)で0.37~0.40mm(0.37mm),D. galeataで0.50~1.23mm(0.88mm),L.kindtiiで1.78~3.66mm(3.01mm)であった。橈脚類ではノープリウス幼生で0.14~0.26mm(0.19mm),ケンミジンコのコペポディド期(Copepodid of cyclopoida)で0.42~0.73mm(0.50mm),Eucyclops sp.で0.88~1.05mm(0.96mm),Mesocyclops sp.で0.95mm,ヒゲナガケンミジンコのコペポディド期(copepodid ofCalanoida)で0.47~0.77mm(0.62mm)であった。茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No9,2013 49